小学校の思い出
連絡がつかなくなったのは1年生1人、2年生2人、4年生1人。
そのうち4年生の生徒がA
調べてみたら、他の3人も行方が分からなくなっていたのだ。
当然、すぐに職員会議が招集された。
「生徒たちについて何か手掛かりはありませんか?」
普段はずっと柔らかい笑みを浮かべている学園長も今回ばかりはその笑みを消している。
「恐らくですが、行方が知れなくなったのは下校後の家路でしょう。いくらなんでもそこまでは……」
貴族の子女はそのほとんどが馬車で登下校をしている。
だが、貴族と言ってもその経済力はまちまちだ。
行方知らずになった女子生徒の家はお抱えの馬車を1台しか持っておらず、その馬車を親たちが使う予定があったらしくその日は徒歩での家路となっていたらしい。
計画的な犯行であればその貴族とつながりのある人たちが捜査線上に上がるが、それが決まったのは前日の夜だとのこと。
あまりにも迅速すぎる。
「これは学園の手には負えません。軍に依頼するしかなさそうですね」
「待っていただきたい! そんなことをすれば我が校の威光が……!」
「これで生徒が無事に帰らなかった時の方が威光を傷つけるでしょう。今できるのは、なりふり構わず生徒の安全を確保することです」
現状、教師たちに出来ることはあまりない。
「どう思う?」
「とりあえず、女子生徒ばかりなのが気がかりですね。悪い方向の想像がしやすいので……」
職員会議からの帰り道。
ヨルとの意見交換。
「その可能性は高いだろうな。まぁ、俺たちが知らないだけで他に利用用途があるのかもしれないけど。どちらにせよろくでもないことは確かだろう。
「ライヤさんでもどうにか出来ないんですか?」
「無理だろ。それこそ軍が人数かけて捜索して、聞き込みとかまで含めてやるのが現状だと正解に近いんじゃないか? 一個人に出来ることなんて、他に行方不明者が増えないように気を付けることくらいだろ」
そのまま2人は郊外へと見回りに出かけた。
いくらヨルが「デートだー!」とはしゃいでいたと言っても見回り自体はちゃんと行っていた。
だが、学園から同心円状に拡がっていく生徒の帰路を全て見張ることなどできるはずもなく。
翌々日、新たに2人の行方が分からなくなったことが発覚した。
「暗部ではどういう扱いになってるんですか?」
「一応、調査はしているけど他の事項より優先度は低いわ。他国の情勢を探るのが優先にはなるから……」
「そんなところでしょうね。仕方ない」
仕事モードのフィオナと対策を協議する。
「流石に貴族の子女に被害者が出なかったから戦闘を起こしてでもというわけではなさそうです。その代わり、平民の女子生徒は一層の警戒が必要になるでしょう」
「だけど、それも難しいでしょう? いくら軍を動かしても全員を送り届けることは出来ないもの」
「そうですね。ですが、最後の1人なら行けると思うんです」
「……どういうこと?」
「集団下校っていう手法があって……」
同じ方向の高学年と一緒に帰ってもらい、各家を回った後に引率役の家を最後にするというものだ。
その引率役が男子であればなお良いし、この手法なら各集団に1人軍の人間を入れておけばかなり安全になるだろう。
「生徒に相当な負担がかかるんじゃないかしら」
「それは当然なんですけど、平民と同じ方向に帰るのは同じく平民で。言い方は悪いですけど、平民でお金が必要でない奴なんていないんです」
「報酬を出すってこと?」
「もちろん、高額には出来ないですけど。毎日の報酬となればかなりありがたいだろうと思います。引率役にはそれなりの実力が必要なので審査のようなものはするでしょうけど」
「なるほど……」
考え込むフィオナ。
問題は登校だ。
朝は帰路なんかよりも遥かに時間がない。
上級生に迎えに行ってもらうのが不可能な生徒もいるだろう。
そんな生徒が狙われる可能性はゼロではない。
現状、帰りの時間帯でしか起きていないが朝行われても不思議ではないのだ。
「一応、学園長には進言しておきましたから、後は上の判断ですね。軍がこれを呑んでくれるかどうか……」
「怪しいですね……」
軍の変なプライドが勝るかどうか……。
[あとがき]
集団登校って田舎だけ?
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