転移した場所はみんなとは別の場所だった!?(仮)

ちぃびぃ

プロローグ

(ここは………)


男は見渡す限りの草原に立っていた。いや、


考えることはできる。だが、話すことはできない。

上に視線を向けれるが、見渡すことができない。


(これは夢………?)


現実では見れないような透き通った青い空に、草原。まるでゲームの中にいるようだった。


こんな夢を見るのは初めてだった。しかも自分を自分が見ているという不思議な感覚。これはなんなのだろうか。考えても分からない。だから目が覚めるまでそのまま自分を見続けた。


●●●


ここはとある王城の一室。そこには4人の女性がいた。全員髪の色が金色なのは同じだが、瞳の色がそれぞれ違った。


「お母様」


「カーナ、どうしました?」


カーナと呼ばれた碧眼の少女は再度口を開く。


「魔王が復活されたと聞きました」


「なるほど……だから魔物や魔獣がたくさん溢れているのね」


カーナにお母様と呼ばれた紅い瞳の女性はその報告に驚くことなくそう呟いた。


「姉様、魔王が復活とはどこからお聞きになったのですか?」


「騎士団の方達が話していたのよ、ユア」


ユアと呼ばれた左目に眼帯を付けた少女にカーナはそう言う。


「もうすぐ戦争はじまるのー?」


翡翠色の瞳をしたまだ幼い少女が物騒なことを言う。


「こら、だめでしょミイそんなことを言ったら」


「はーい」


カーナに注意されたミイと呼ばれた少女はおとなしくした。


「それでお母様どうしますか?」


「そうね……勇者召喚をするしかないかしら」


「それはこの王家に伝わる伝説の召喚ではないですか。できるのですか?」


「できますよ。かなり時間が必要とする魔法ですからすぐに始める必要があります。ユア、やってくれますか」


「分かりました、お母様」


「ではあなたにはあとで召喚の魔法を教えますから部屋に行って休んでなさい」


「はい」


ユアはそう言われて部屋を出た。


「……私達はなにもしなくていいのですか?」


「カーナとミイには召喚された勇者達の説明役ですね。まぁ、カーナには説明役以上のことをしてもらう可能性がありますから心しておきなさい」


「?、分かりました」


カーナは最後の意味がよく分からなかったがとりあえず頷いた。


「では2人も部屋に戻りなさい」


「はい、失礼しました」


「しつれいしましたー」


カーナとミイは一緒に出て行った。


「……ふぅ」


ただ1人残った女性はため息をついた。


(そろそろ私も限界ですね。このタイミングで魔王が復活するとは……)


この世界フォースは今戦争の最中である。戦争といってもそんな大仰なものではなく、魔物や魔獣といった群れを倒すだけである。だが、そんな小さな戦いでは済まなくなってしまう。魔王が復活してもしばらくは大丈夫だろう。だが、魔王が完全に復活すれば取り返しがつかなくなる。その前に勇者達を立派に育てなければ。


「ユアがどれだけ早く理解してくれるか次第ですね」


ユアは歴代の王家の中でも異質な力を持っているので、今はそれにかけるしか他は無い。


女性はとある本を手に取った。そしてあるページをじっと見る。


「本当にこの通りならいいのですが……」


女性が持っている本はある人物が書いた預言者だ。そのページにはこう書かれている。




『悪しきものが世界に現れる予兆は、その配下の復活を遂げるだろう。復活を止めなければ世界はたった1人に滅ぼされるだろう』




「これが本当なら、魔王以上の存在がいるとでもいうの……」


この預言はほんの1部でしかない。本当に起こるのか不思議ではあるが、現に魔王が復活したのなら今はこれを信じるしかない。


●●●


それから数週間、遂に召喚の魔法が完成する。だが、予期せぬ事態になるのはこれからである。


<hr>

作者からのあとがき

このタイミングでプロローグ?って思うかも知れませんが、最初が分かりずらいかなと思って追加しました。この話を最初に読めば、入りやすいかなと。読んでくれてた皆さんには大変ご迷惑をお掛けします。もし、良かったら読んでみてください。


誤字や脱字、意見・感想などあれば嬉しいです!


ツイッターもやっているので良かったらフォローお願いします!


ツイッターID:@shina5410




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る