7
「本当に良かった。そのおかげで、すごか発見のあったとですよ」
「何ですか?」
「キレーになってからツガイがイチャイチャし始めたとですけど、ある日女ん方の『オッオッ』っち大きか声の聞こえてきたとですよ。何やろかっち思うて様子ば見に行ったら、しとったとですよ」
「何をですか?」
「交尾ですよ交尾。お姉ちゃん言わせんでよぅ」
「そういうノリは結構です。ゾンビが交尾ですか?」
「そうよ。交尾よ。ビックリやろ? バックで犬のごとしとっとよ。ゾンビも勃つとやねぇ」
「そこまで生々しく言わなくていいですよー」
「ばってん1つ腹の立ったとよ。あのバカどもは、服ば脱げんとね。脱げんもんやけん、陰部のとこだけズボンば破り捨てて突っ込んどると。せっかくキレーか服ば着せてやっとっとに、何ば考えとるとやろか」
「ですから、そこまで生々しい話はいりません。でも、確かにこれまでの常識を覆す発見ですね」
「そうやろ? たぶん野良のゾンビはお互いが臭かとで、そこまでいかんとやろうね」
「それで、ゾンビの赤ちゃん誕生になるわけですね」
「そうそう。生まれたとが先月やけど、2年ほど女ん方の腹が
「2年前からお腹が大きかったんですか?」
「うぅん、そう。あいつらは栄養が足りとらんけん赤ちゃんの成長も遅かとやろねぇ。そこで疑問がでたとですよ。『そもそも精子や卵子はあるとやろか』っちね」
「はぁ、確かにそうですね」
「そこで、先生に研究所ば紹介してもろて、そこん博士に見てもろたと。ほしたら何ち言うたと思う?『よく分かりません』っち言うとよ。こん国の科学はどがんなっとっとやろかっち思うたよ」
「なるほどぅ」
「その他にも知りたかことはあるとよ? そもそも勃つとか? 濡れるとか? とか、ばってんもう、どがんもできん」
「確かにそれはどうしようも無いですね。これから研究することになるんでしょうね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます