Ⅰ 不思議なたまご(1)

 その後村へ帰ったミリモンは、やっぱり、でもショックな光景を見た。


 そこが「村」だったとわかるものはどこにも無く、ただ荒れ地があるだけだった。マグマがところどころでふつふつと音をたてていた。



 悲しいとかさびしいとかびっくりとかそういう感情では表せないものがミリモンの中にわきあがってきた。目から、しずくが落ちた。


「どうして……」


 ミリモンはぽつりとつぶやいた。



 絶望しながらも、ミリモンはふらふらと元家もといえのあった場所へ行った。もうどうでもいいやと思った。



(これからどうすればいいんだろう……)



 そんなことを考えながら近くにあるたまごにすわった。ミリモンの家があった場所にあるたまごだ。



(たまご……?)



 何のたまごだろう、と思ったけど別にどうでもいいやと思った。本当に絶望しているのだ。



 パキッ。



「?」



 何か音がした。ミリモンの下でだ。

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