第99話 魔法大塚

「魔法大塚ー! キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」

「望と希! 二人合わせて希望です!」

 望と希は、いつも明るく元気に笑顔で前向きである。

「やっぱりファンタジーと現代ドラマの2本だな。」

「どっちも脚本が足りていないので、駄作が実写やアニメ化されている現状ですからね。もう人間がテレビを見なくなっている。」

 JRSのドリームとホープもおしゃべりが大好きである。

「お久しぶりです! 魔法大塚駅の駅娘です!」

「元気だった? 駅娘。」

 駅娘は仕事熱心である。

「ファンタジーを現代ドラマへの転換ができないだろうか?」

「決めゼリフ、そんなもの魔法だろう。」

「主人公、勇者と一緒だろう。」

「こういうノリでいいのね。」

「そう思えば、現代ドラマも書ける。」

「EiMが終わったら現代ドラマでも書くか。」

「今の日本のドラマは面白くない、視聴率がない。」

「なぜか?」

「内容は毎回同じ。各事務所の威光が強すぎる。それで起用される各アイドルの人間性・演技力。」

「結果、ドラマ見るよりSNS、ユーチューブ、ゲーム、アニメに負けた。」

「昔みたいに、ザ・芸能人! という人もいない。」

「コネや強い事務所の御威光で売り出してテレビに出てくる新しい芸能人が、今時の一般人の共感を得ない。」

「タピオカ以下の存在。」

「大人気のタピオカは300円から飲める。」

「貧乏な一般大衆が、高いコンサートのチケットを買う訳が、ほぼない。」

「アイドルのコンサートに行けるのは、皇室、政治家、公務員、大企業などの一部のお金持家族と、破滅型の貧乏人だけ。」

「ああ~、で、他人の怒り? まあ、お金持に対する嫉妬や恨みが怖いから、ドラマでは触れないで物語だけを進めるのか。」

「日本人は、きれいごとが好き。」

「SNSやユーチューブの方が喜んだり怒ったり感情のリアリティーがある。視聴者のレゾナンスを得やすいんだろうな。」

「テレビを見てもお金は儲からないが、SNSは投稿すればお金になる。」

「現代人はお金がないからな。」

「今のテレビの編成で、バラエティーばかり見て育った今の10代は、大人になったら、何になる。」

「既に使い物にならない社会人全てよりも、さらに使えない社会人になるだろう。」 

 これからの小学生は、英語とプログラミングを学んで育つらしいから、今の一桁世代に期待しよう。しかし、子供たちが社会人になる15年後に日本があればいいのだが。

「さまよえる大塚人レベル2を倒したぞ!」

 望たちは駅クエストを突破した。

「さあ! 魔法電車に乗ろう! 冒険の始まりだ!」

 望たちは魔法電車に乗り次の駅を目指すのだった。

 つづく。

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