極楽か地獄なりやは我しらずただ現世にはみなに死ぞあり

極楽か地獄なりやは我しらずただ現世にはみなに死ぞあり


【語釈】

「あの波の下にこそ、極楽浄土とてめでたき都の候。それへ具し参らせ候ふぞ」とは『平家物語』の一文で、「人生は地獄よりも地獄的である」とはあくたがわりゆうすけしんげんだ。「世にはわれわれの感受性を絶する極度の幸と不幸が存在する」はラ・ロシュフコー『しんげんしゆう』の464である。はたして、この世は極楽か地獄か。われわれは幸福か不幸か。いずれにせよ、人生には死という解答がまっている。

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