魔導と少女の王国物語

登場人物紹介 9 古代龍と時の翼

【　ディアン　】

　飛翔族の青年。十八歳。背中に白い翼を持ち、青い髪と赤い瞳の繊細な印象。魔法王国の最後の王のひとり。

　リューナと別れたあと、身寄りもなく独り静かに日々を送っていたはずだったが……。

【　エオニア　】

　飛翔族の女性。純白の翼と薄桃色の髪、赤い瞳をしている。

　重要なものを内に秘めているらしい。経歴等、詳細は不明。

【　ウル　】

　『海蛇王（シーサーペント）』。魔の海域での冒険にて、ルシカが知り合った海に住まう上位種の魔獣。

　見かけは巨大かつ醜悪であり、その力の凄まじさから恐怖の対象ともなりうるが、人語を解し、高い知能と美しいものを愛する心をもつ。

　ルシカやテロンたちとの友情と、魔導や魔獣に縁の深いソサリア王国ならではの待遇によって、彼の人生は孤独なものではなくなった。

【　ラハン　】

　人間族の男性。一度滅ぼされた都市の跡で隷属から逃れたひとびとと小規模な集落を作り、生活していた。知識の護り手として、教師的な存在であったらしい。

【　ルミララ　】

　ラハンの妻である女性。家庭的な性分で、裁縫が得意。

【　ラスカ　】

　ラハンとルミララの息子。

　エオニアに自分の居場所を奪われたと感じ、彼女を憎んでいる。他にも理由があるようだが……。

　家を飛び出してウピ・ラスカと名乗り、古代龍の企みに加担している。

【　古代龍　】

　ソサリア王国と隣国タリスティアルを隔てている大陸中央山脈フェンリルの霊峰ザルバーンの奥深くで、永き眠りについていた始原の龍（総称ではドラゴン・現生界には龍と竜の区別がある）。

　神と並び称されるほどに強大な力を持つ存在であり、魔導の力をも行使する知性をもつ。

　自身の野望を完遂させる為だけに目覚め、世界を滅亡の混乱に陥れる。