登場人物紹介 2 王国の人々

【 メルゾーン・トルエラン 】


 呪文や魔道具を使って魔法を行使する、魔術師。派手好きで甲高い声、虚勢ばかり張っている。頭で考えるより行動してしまう性格で、一方的にライバル視しているルシカと衝突することもしばしば。

 腰や指にたくさんの魔石・魔道具を携えている。



【 シャール・メンヒル 】


 癒しの神ファシエルの神官。傭兵隊長ソバッカのひとり娘。美人で、家庭的な性格、おしとやかな女性。きれいな黒髪を肩で切り揃えているので、周囲からはもったいないとの声も。実は、メルゾーンとは……。



【 ソバッカ・メンヒル 】


 ソサリア王宮の傭兵隊長。シャールの父親、妻は十年ほど前に亡くなっている。

 東方のドナン大陸の出身で、前王の戦乱の時代には、身分を隠して冒険者になって放浪していたファーダルスと組んでいた仲間である。足跡を読んだり、元冒険者としての知恵や実力は相当のもの。



【 ヴァンドーナ・ガル・メローニ 】


 『時空間』の力を持つ大魔導士。大陸でも最高位の魔力の持ち主、らしいが、普段のおちゃらけた言動と、飄々とした態度からは想像もできない。先王の時代に続いていた戦乱を鎮めた功績者。

 現在のソサリア王国にとって、なくてはならない相談役であり、中心人物のひとり。だが直接政治に関わっているわけではなく、あくまでファーダルスやダルメスの友人として王宮に出入りしているようだ。

 齢九十を越えているが、背筋も曲がっておらず元気に過ごしている。息子たちの忘れ形見である、孫娘ルシカのことをいつも心配しており、可愛がっている。

 強力な『予知プレディクション』の魔法を行使できる。だが、必ずしもコントロールできているわけではないとのことだが……。

 二千年前にグローヴァー魔法王国が滅びた理由と原因の探求を、生涯の目標に掲げている。



【 ファーダルス・トゥル・ソサリア 】


 トリストラーニャ大陸でも大国のひとつ、ソサリア王国を治める現国王。双子の王子テロンとクルーガーの父。

 先王の戦乱の時世で身を隠すため、一介の冒険者として大陸を放浪していた。そのときの仲間が、今の傭兵隊長ソバッカと、隠居前の宮廷魔術師ダルメスである。冒険者としての経験があるからか、今でも剣を握り、鍛錬は続けているようだ。

 指示を飛ばすだけではなく自らも率先して動く、行動力のある王。ファーダルスの治世は平和の時代であり、気さくで明るく、国民からの支持は厚い。



【 ルーファス・トム・ソルア 】


 騎士隊長であり、常に現国王ファーダルスの傍に控えている。ソサリア王国の中心人物のひとり。

 幼少からクルーガーとテロンの剣術の師であり、お目付け役でもあった。今現在もなお王子たちの言動にハラハラさせられっぱなしである。そのためか非常に心配性であり、また、「殿下あぁぁぁ」と王宮を駆け回る姿も目撃されている。

 クルーガーの剣術の師範であり、その腕は国内でも最強と謳われるほど、らしい。剣術試合などに特に出場しないため、都市伝説と化している。



【 ダルメス・トルエラン 】


 隠居する前には、ソサリア王宮の宮廷魔術師として仕えていた。現国王ファーダルスが若い頃冒険者として大陸を回っていた頃の、仲間のひとり。もうひとりは現傭兵隊長のソバッカ。

 メルゾーン・トルエランの実の父親であり、故郷のファンの町に魔術学園を設立することを目指している。

 魔導士ではなく、呪文や魔道具を使って魔法を行使する、魔術師である。



【 バルバ・ゾムーナ 】


 テロンの体術の師匠。今は王宮の庭師としてのんびり過ごしている。亡き王妃ソフィアが育てていた薔薇の世話を任されている。

 元、先王の近衛兵であり、剣の腕も騎士隊長ルーファスと互角といわれていたが、若い頃には体術のほうを好んで修行に明け暮れていたらしい。

 テロンに『聖光気せいこうき』を伝授した人物。



【 ソフィア 】


 今は亡き王妃。ファーダルス王の妻であり、テロンとクルーガーの母。

 上品で控えめな性格で、いつも穏やかに微笑んでいたという。ファーダルスが再婚しないのは、ソフィアを今も愛し続けているかららしい。



【 ファルメス・スー・メローニ 】


 ルシカの父。ソサリア王宮の書記官長だった。娘ルシカが三歳のときに船の事故で死亡している。当時三十三歳。

 幼少の頃のテロンとクルーガーの良き相談相手だった。



【 フィーナ 】


 ルシカの母。ファルメスの妻で、副書記官長だった。同じく、船の事故で死亡、当時二十七歳。


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