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「あー、類の制服、一着はクリーニングだし。蓮さんがショーで切り裂いたからナイね」
諸星はケラケラと笑った。
「昨日の短パン穿く?」
「お尻破けてますよ」
「あはは、そうだった。総務に叱られるね。あの制服、結構高いからさ」
「ですよね。どうしよう。女子の制服はそもそもないみたいだし、私はすぐに異動になる予定だから、制服くれないんです」
「僕のでよければ貸すよ。裾は少し長いかもしれないけど、錦折さんの制服よりマシだと思う。マジックテープで裾あげすれば着れるよ」
「ありがとう。捺希さんは大丈夫ですか?」
「僕達は三着あるから大丈夫だよ」
「じゃあ、お借りします」
マジックテープでパンツの裾あげをし、なんとか制服を着用。
急いで開店準備をして、お客様を迎え入れる。
「いらっしゃいませ。小池様」
「蓮さん、残念だったね。連勝ならず、アレはモデルがサイテーだったんだよ。どこの女よ? ド素人にも程がある」
どうやら小池は私がモデルだったとは、気付いてないようだ。
「ですよね。やっぱりモデルが敗因かな。小池様のように、ナイスバディな女性の方が目を引いたかも」
「蓮さんの依頼なら、いつでも引き受けたのに。でも水着のヘアメイクも、制服のアレンジも斬新だった。モデルが転倒さえしなければ、グランプリ獲れたわ。連覇逃して残念だったわね」
「すみません……」
「あら、新入りさんが謝らなくていいのよ。あなたには関係ないのだから」
「……はい」
香坂も諸星も、鳴海店長もクスクスと笑っている。
三上と視線が重なり、思わず俯いた。
「類、小池様と麻木様にドリンクサービス」
「はい」
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