キタセンジュ・クロニクル

オクトーパンダ

第1話 チャイニーズはジャーマンに負ける。

「こんにちは〜」   



働いている。 ここは、北千住。 ニッポンのトウキョウのアダチのマチ。ラップ調だという事が大事ですよ。フフ 


「よいっしょ〜」



ダンボールを畳んでいる。 声が聞こえてくる。 アジアのチャイナのダンボールの声だ。


「そんなに強くしたら痛いでしょ!!」 



若干、強く畳んだ。若干、わざと。 ダンボールは怒る。 うるさく、怒る。 こいつはチャイニーズダン*だ。


「ふっ、怒る相手を間違っているなあ? 怒るならヤワな作りしかできない貴様の国に対して怒れ。」



ドスの効いたこの声...。 まるでジャガイモとソーセージだけで生きてきたかのような...。 も...もしかして...こ...ここここ...こいつは...!?



やはり......!! 圧倒的安心感のジャーマンダンだ!


困ったものだな。さすがの貫禄だ... 。


北千住で繰り広げられる中独ダンボール戦争。


今宵はあなたの街でもどこかの国のダンボール達が戦っているかもしれませんね。その瞬間を見届けられることを心から祈っておりますぞ。フフ




*ここでの”ダン”という表現はダンボールに国籍が宿った時のダンボールの呼び方のことを指す。

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