第91話 なでなで

「ふーつっかれたねー!多分私今までで一番勉強したよー。ほんとにありがとね」


俺たちは風呂から出た後は、しっかりと勉強に取り組んだ。


無駄に俺に触れてきたりと所々ウザがらみもあったが、それもとっても可愛くてまた気絶するかもと思った。


俺は人に告白されたのが初めてだからかもしれないが、どうしても村瀬のことを気にしてしまう。


一定の間隔でつい村瀬のことを見てしまうのだ。


それに、告白されてからはなぜか村瀬が可愛く見える。もしかして、ウザがらみ系が好きなのか?また、ウザがらみ系のラノベ読んでみようかな。


そんなこんなでもう12時も過ぎてるし、さすがに終わったほうがいいかな。


やり過ぎるのがいいってわけじゃないし。


それに、今日があったおかげで、村瀬はかなり数学の問題を解けるようになった。


正直、欠点の心配なんて全くしていない。これ以上勉強しなくても欠点は回避できるだろう。真昼も村瀬もこの期末テストの数学と理科に関してはかなり上位に入るんじゃないかと密かに期待している。


「そろそろ寝るか。明日も学校あるし」


「そうだねー。もう疲れちゃったよー」


「そうだな。今日はめっちゃ頑張ってたな。よく頑張ったな」


俺は正直言った。これを隠す必要はないし。


「ほんと?!やったー!けーちゃんに褒められちゃったー!それじゃあさ、頭なでなでしてよ。私頑張ったんだからさ」


痛い……。村瀬の目の輝きが痛い……。そんな餌を目の前にされた犬みたいな目やめて……。


でも……、これってセクハラ……ではないよな?


異性の頭を触るけど、その相手は俺のことが好きみたいだし、大丈夫だよな?


「別にそれぐらいならいいけど……」


俺がそう言うと、村瀬は「やったー」と言って俺の方へはいはいしてくる。


俺、これから押し倒されるのか?なんか村瀬の目はずっと輝いてし、もしかしたら……、俺今日童貞卒業なのかも……。


村瀬が迫ってくる。俺はなぜか目を閉じてしまう。


だって、なんか襲われる時ってなんか目閉じてるじゃん?ちょっとやってみたかったんだよねー。あ、でもふつうに考えたら襲う側は俺か。


「ん?っ!な、なにしてんだよ」


村瀬は胡座で座っていた俺のところに座った。


なんというか……近い……。なんか、めっちゃいい匂いするんですけどー!それに、俺の聖剣反応してないか?俺の聖剣よ、まだ暴れてはダメだぞー。


「いや、頭なでなでしてもらおうと思ったら、ここが一番いいかなと思って!」


まぁ確かにそうだけどさ。さすがに無防備すぎじゃない?!こんなの、俺が突然抱きついたらどうするの?!襲われちゃうよ?!まぁ、しないけどさ。


「わ、わかったよ……」


俺は言われた通りに村瀬の頭を優しく撫でた。


村瀬の髪の毛はとってもさらさらしている。って、こんなこと考えるなんて変態か!


1分ほど頭を撫でてやった。


「ありがとね」


「こんなことなら、別にいいよ」


「ほんと?!じゃあこれからは毎日やってもらおうかなー!なんてね。でも、ほんとありがと。そろそろ寝よっか」


「そうだな」


俺は床に寝っ転がった。


「なにしてるの?!」


「いや、寝ようと思って」


「いやいや、ちゃんとベッドで寝なよ。どうせなら、一緒に寝ようよー」


「バカかお前は。お前はベッドで寝ろ。俺はここで寝るから」


「いやいや、ダメだって。仕方がないけど、けーちゃんはこのベッドで寝て。私はお母さんのベッドで寝るからさ。でも、次に寝るときは一緒に寝てもらうからね!」


「わかったよ。じゃあおやすみー」


「はやくない?!もうちょっと私と話したいと思わないの?!ひどいなーけーちゃんは」


ほんとこいつはよくしゃべるなー。スーパーとかでなってるBGMかよ。


「ちょっと疲れたんだ。それだからちょっと休ませてくれ」


「そっか、わかった。おやすみー」


悪いな。ほんと村瀬はいいやつだよな。こういう時に使ってしまう。全然疲れてはないけど。


俺は村瀬のベッドに入った。


そして、すぐに記憶はなくなった。



「じりじりじりじり……」


なんかうるさいなー。俺は目を覚ます。ベッドから出ようと思ったが、からだが動かない。何故だ?!


布団をどけてみると……、そこにはコアラのように俺に抱きついた村瀬がいた。

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