断編集
龍宮 円(たつマル)
電話
「君にとって電話とはなんですか?」
そう聞かれて僕はスマホを取り出した。
「そりゃ…、これでしょ。」
「ふふ…、私とは違いますね。」
嫌な言い方をする…。
"電話とは何か"と聞いて、いったいどう返して欲しかったのか。
僕は素直に持っているものを出しただけだ。
それも正解だと知っているから…。
気のきいたフレーズや格好つけなど、思い浮かびはするだろうが言うのもめんどくさい…。
「そりゃそうだな、人それぞれ考えかたが違うしな。」
「…そうですね。…ふふ、あなたはやはり賢い人だ。」
「どこがだよ。」
「…わかってるでしょうに」
僕はこいつが嫌いだ。
この僕の中の私が…。
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