ぼくは勉強ができない/山田詠美

山田詠美の何が苦手かといえば、享楽的であることを正とする価値観だったりする。初めて読んだのは、まだ学生気分が抜けてない頃。享楽的であることを強く肯定された気がして、大いに自分を誤解してしまった記憶がある。だから山田詠美は苦手だ。しかし描かれているのは、一般的価値観との齟齬に悩む主人公の成長であり、刹那的に生きる事を奨励している訳ではない。周囲に流されて、自分を見失うなよって話だよね。あとがきにもある通り、学生時代を客観視できる年齢になってから読むのがオススメかと。二十年を経て再読し、やっと読めた気がする。

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