群像 2012年 09月号(私はあなたの瞳の林檎/舞城王太郎)

舞城王太郎『私はあなたの瞳の林檎』。驚いたのは、いわゆる“舞城的虚構”を使わずに、純愛を描ききっていたこと。破天荒な舞城節が好きな人からは「物足りない」と評されるかもしれないが、わたしはとても良いと感じた。「これ、俺のことを書いているんじゃないか?」と錯覚するほどに、シンパシーを感じる物語だった。甘酸っぱいし、切ないな。/中条省平氏による『短篇五芒星』書評。五編の短編は五芒星に配するのではなく、『四点リレー怪談』を中心に四編を四角く配するが妥当との論には、思わず膝を打った。しかも二編づつ、対になっている。


◇蛇足

中条省平氏による『短篇五芒星』の書評は、ウエブでも読めるようですよ。


世界の理不尽に立ち向かうモラルの書

http://gunzo.kodansha.co.jp/10052/16728.html

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る