道化師の蝶/円城塔

文書の美しさを楽しむ人に、良いのではないだろうか。物語に込められた意味を考察する人に、良いのではないだろうか。中途半端な私は、戸惑ってしまった……嫌いじゃないけど。幾重にも重ね合わせたレイヤーを、串刺しにしたような物語。人の掘り下げではなく、物語の構造や美しさで読ませる小説とでも言おうか。この作品が芥川賞を受賞したという事は、選者の中でも新しい血が必要との認識があるのだろう。保守的な読み手としては、もっと人物を掘り下げて欲しいと思ってしまう。何作か読めば、読み方も見えてくるだろうか。また読んでみたい作家。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る