暗闇の中で子供/舞城王太郎【再】

【ネタバレ注意】三章以降は、三郎の創作と知り再読。初読では、池の名前、橋本の死因、ユリオの表記など矛盾を感じながら、「だって舞城だし」と思考停止していた。再読して「二章以外すべてが虚構」という解釈にたどり着いた。いやもしかして「二章が虚構でそれ以外が現実なのか」とレクターのくだりで感じた。舞城恐るべしだ。由里緒は実在するけど、ユリオは創作とすれば切ない。ユリオとの愛を描き、奈津川家の愛を描き、自らの四肢を切り落として、三郎は本当にカタルシスを得ることができたのだろうか。もう一度読み直してもいいと思う作品。

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