美食。
「美味しい?」
透き通る美しい声
消えかけの少女の声
あたま ぐじゅぐじゅ
あたま ぐじょぐじょ
ミキサーは脳みそを楽しそうに砕く。
ぷりんぷりんのうみそうどんうどん
「あなたのお母さん…からっぽ…」
塩味の水、溢れ出る
顔の表面を虫のように蠢き
「ふ、ふふゆかいだ…」
自分の手は
止まらず運び続ける
かぼちゃぼちゃかぼかぼちゃ すいかすいか
割られた頭は2つで1つ
硬い皮にとろける中身
ぱま ぱま ぱま…
強烈な吐き気
絶え間なく口に入り込む塩水とかぼちゃとすいか
残るのはこれまでにない、快楽すら感じる美味しいという感情。
とろとろぷりんぷりんよーぐると
「あぁぁ… ぼ、ぼくのは、どんなあじが…するの?」
「食べてみる? 美味しいよ、ほら」
「あぁぁ…」
痛みは感じない
不愉快な快楽
愉快な苦痛
まるで、鼻の奥に溜まる粘り気が強い鼻水を引き摺り出すような…
僕の頭から引き摺り出したものを少女は食べる。
「ひ、ひとくち…ひひととくうどん」
「いいよ…はい、あーん…」
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