14話:おじさんとステイ・ウィズ・ミー
※ ※ ※ ※ ※
どこだ、ココは?
あっ!見覚えある。
――っつーか、ココ、聖都の中じゃねーか!!!
城門近くの大通りから1つ脇に入った
覗くようにして城門を見れば、衛士がたむろしているのが分かる。
ありゃ~完全に、警戒中、ってヤツだよな?
大司教との遣り取りが生放送され、規制までされたくらいだ。そりゃ
大聖堂からは
文句の一つでもいってやろうとSMSを送信したものの、未読のままじゃねーか。本当、アイツ、都合が良過ぎるんだよ。
どーすんだよ、まったく。
「パカちゃん様、路地とはいっても留まっていたら見付かってしまいます。移動しましょう」
「まぁ~、そうなんだが、ドコに行ったら良いものやら。何せ、土地勘皆無だからネ~」
「貧民街に行きましょう。大きな街、それが城塞都市だとしても、必ずそういった場所はあります」
「……なるほどぉ~。よしっ、それにしよ」
あら?この小娘、田舎者のわりに意外と小知恵働くのね。
まぁ、こっちの世界の常識っちゅーか、こっちでの一般的な知識皆無の
取り
「んで、貧民街に行くのはいいとして、それからどうする?追っ手を
「貧民街には非合法組織があるはずです。放送を見た連中の中に、パカちゃん様に興味を持った者がいるはずです」
「……なるほどぉ~。うむ、その線でいくか」
あら?あらら?頼もしい。
非合法組織を頼るとか、とても野盗に襲われ、神に
いや、待てよ?
よく考えりゃ、あんな遠方の地から女一人で荒野を駆ける、っつー事自体、妙っちゃ妙だよな?
この聖都の上空だって有翼の爬虫類みたいなもんが飛んでるくらいだ、荒野を
それに
あれ?もしかして、この娘、相当タフな精神の持ち主なのか?あるいは、それなりに強い、とかなのか?
ちょっと、
「ニャルロッテ、1つ訊ねたいんだが、
「戦い、ですか?いえ、できません」
「――そーですよネ~……そりゃそーだ、うんうん」
「はい、暴力を振るうことは禁じられています」
「あー、そういう教えなわけ?」
「はい。護身術程度ならできますが、それは信仰を
「ん?護身術?信仰を護る時?」
「はい、異教徒や邪教徒の魔の手から真の信仰を護る為であれば戦います」
「あ~、そうなんだ?
「はい、すみません。大司教様は宗門の高座にある御方、パカちゃん様は大天使様。
「なるほど、そりゃそっかー」
「はい。でも、パカちゃん様の大正義が
「――あー、そりゃどうも」
あの女神、またしても手を回したのか。
きっちり仕事はこなしているみてーだが、どうにもふわっとしてんな。
うら若い聖職者の護身術程度で、どうやって追っ手から逃れろってんだ!
――ん?待てよ……
「護身術……護身術はできるんだよね?」
「はい」
「そう云えば、大司教の使っていたあの何とかサバットっつ~体術、っつーか武術、アレも護身術の一種なんだよね?」
「はい、護身術です。
「
「わたしは大聖堂流は学んでいません。大聖堂流は大都市に限られ、月謝が高いんです。わたしの故郷のような田舎では学べません」
「――月謝……そうなんだ?ちなみに、
「はい、わたしは故郷の部族に伝わる百八流派の武芸とわたしの氏族に伝わる一子相伝の暗殺護身道のみ、です」
「!?……暗殺??護身術、だよね?」
「はい」
「暴力はダメなのに、暗殺はおkなの?」
「私利私欲に走る
暗殺は確かな理由があり、計画立案されるもので、上からの指示や求められる
「――お、おう……」
なんか――
かわいい顔して、すっげぇー怖い事をサラッと云うんですけど、この娘~。
大司教と
まぁ、宗教にはまってるくらいなんだから、思い込みは激しいと思われるんで、あんま刺激しないようにしよう。
「取り敢えず、
「はいッ!パカちゃん様ッ!!」
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