そもそも本にはまった理由

 そういや書いてなかった。

 ちっこい頃から昔話とかおとぎ話とか好きだったんだけど、明確にこれ! っていうのは、宮沢賢治氏だと思います。

 居間の炬燵の上にぽーんと置いてあったのは、宮沢賢治氏の、ちょっと独特にまとめられた本でした。

 あーれいつぐらいだったかなー、多分小学校低学年とかだったと思うんだよなあ。

 なんかこう、まるまる一話、っていう普通の本じゃなくて、有名なおはなしの一部だけを抜粋して、いくつか載せてあるやつでした。

 『風の又三郎』とか、『注文の多い料理店』とか、『雨ニモマケズ』とか。あれ、タイトル合ってっかな……。

 そこには子どもでもはっとするほど綺麗な文字列が並んでいて、わたしは一瞬で引きずり込まれました。

 毎日のようにページをめくって眺めてましたねー、楽しかった。

 そっから学校の図書館を漁り倒し、どんどんいろんなの読むようになりましたね。

 絵本は苦手でした。

 ちゃんと文章が並んでいて、時々挿し絵がはいってるやつが好きでしたね。

 伝記とかもよく読んでました。


 そんでよ。

 わたしは高校生のときには、文庫本っていう存在に興奮を覚えるというちょっと危ないやつに仕上がっておりまして、山田詠美氏にはまっておりました。

 『放課後の音符』とか、『ぼくは勉強ができない』とかを読んでいて、相当な影響を受けましたね。

 わたしが恋愛モノを書くときの原点は多分ここにある。

 んでね、わたしが教科書にしているんだけど、『プロ作家養成塾』って本、ご存知ですか。

 カクヨムさんにもおられるあの方だと思うんだけどなあ。

 確かそれに書いてあったと思うんだけど、手本にしたい作家のデビューから最初の5作品を読めってあったんですよ。

 そうして出会ってしまった『ベッドタイムアイズ』。

 天才だと思った。

 死ぬまでにこんなん一冊書けたら幸せだと思った。


 と、同時に、山田詠美氏の棚のご近所にいたんですよ。

 原田宗典氏。

 みなさん彼のことご存知ですか。

 実はわたし、彼がどの程度有名な方なのか存じ上げないんです。

 わたしの周りには、彼のことを知っている人間はいませんでした。

 でもわたしは出会ってしまったんです。

 始まりはエッセイでした。

 『日常ええかい話』とか、『スバラ式世界』とか、もう腹が捩れるほど笑いました。

 図書館なので爆笑するわけにはいかず、声を圧し殺して震えていました。

 あれは辛かった。

 結構なシリーズが揃っていたのでひとしきり読んで、なんて楽しい人なんだと思って次に取った『十九、二十』。

 衝撃でした。

 後頭部を鈍器で殴られたみたいだった。

 エッセイとのギャップが酷すぎた。

 これが小説かと思った。

 その次に読んだ『優しくって少し ばか』で、わたしはもう完全に彼の虜になりました。

 沢山模倣した。

 でもできない。

 それでもわたしのお手本は間違いなく彼です。

 実はこないだブックオフに大量に彼の文庫本が置かれていたのを見つけてしまいまして、わたしがそこでよだれ垂らしてたら見兼ねた旦那が14冊大人買いとかいう大盤振る舞いをしてくれました。

 頭上がらねえや。

 ありがとダーリン愛してる。


 みなさんはどんな作家さんがお好きですか?

 わたしの雑な読書経歴はこんな感じです。

 なんか、衝撃的な出会いをすると興奮しますよね。

 え、するよね?

 わたしだけじゃないよね?

 

 あ、あとそういえば、原田宗典氏の妹さんのマハさんが近年では凄い勢いですね。

 わたしまだ彼女の作品は読めてないんです。

 なんか、裏切るみたいな気がしてきちゃって。

 全然そんなことはないのにね。

 なーんか、抵抗があって。

 いつか読めるといいなって思ってます。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る