ひとりぼっち

 君にもわかる感情かもしれない。だとしたら君と僕は友達にすらなれるかもしれない。


 僕は三人以上で(家族を除く)どこかへ出かけることが苦手だ。よほど仲のいい間柄でないと三人ですらきつい。しかし、知り合い程度の相手でも二人きりだと意外に楽しめたりする。

 僕の中にはいつからか二つの価値観が生じている。一つは、『大人数でいるほど孤独になる瞬間は増える』もう一つは、『すべてにAということはすべてにAではないということ』この二つを一緒に紹介したのはどちらも一人でなく多数に向けられている考えだからだ。

 最初に紹介した価値観は、人間関係のムラを意識してしまうことで生まれるのだろう。自分の友人が自分より仲のいい友人と話している。ならば、ここに僕が存在している意味などはあるのだろうかと感じる。

 その瞬間、僕はフッと薄暗い場所に意識を沈めてしまう。だから僕は大人数でショッピングモールを歩いている人間の気が知れない。

 二つ目の価値観は、よくAの部分に優しさを当てはめる。すべての人に優しい人は誰にも優しくしていないということではないのだろうか。

 みんなを大切にするということは誰も大切にしないということではないのだろうか。だって、大切にしたり優しくするというのはその人が特別であるからでしょ。ならば、”みんな”という大衆な言葉は当てはまらないのだ。

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