第50話 子育て観音は腐女子
「鳥居ちゃん、『キャプテン翼』を読んだそうね?」
「はい!子育て観音さま!」
―― キラリ。
子育て観音の目が光った。
「それで?どうでしたか?」
「必殺シュートがカッコいい!」
「……他には?」
「防御(キーパー)もカッコいい!」
―― 小学生男子のような楽しみ方だ。
その昔、若林源三を軸に多数の同人誌が作られた。若林と岬くん、若林と日向小次郎、若林と若島津建、若林とシュナイダーなどの組み合わせが人気だった。
子育て観音はそれらも読みまくったが、若島津建と日向小次郎のカップリングが好きだった。
―― スッ。
子育て観音が選りすぐりの一冊を差し出そうとした。
グッ!
その手を十一面観音菩薩が押さえた。
ググググ…。
力比べが続く。
「十一面観音菩薩……」
「それだけはダメだ。もしも鳥居ちゃんが大人になって自分の意思でBLが好きというなら止めない。しかし生まれたての鳥居ちゃんを教育するのはダメだ」
睨み合う2人。
「鳥居ちゃん、ミカエル君と遊んでくるといい」
「はい!十一面観音菩薩」
十一面観音菩薩による説得の結果、子育て観音は鳥居ちゃんのBL英才教育を諦めた。
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