ミカエル君がやってきた
第10話 僕の像が仏教寺院に?
何百年も前に本体から分裂した、petit(プチ)ミカエル君が本体に呼び出された。
「何だろう?珍しいな」
「おおpetit(プチ)、参ったか」
「どうしたの?」
「うむ。2009年5月16日に、宮島の厳島神社とモン・サン・ミッシェルの間で、姉妹都市条約が締結されたことはしっているな」
「うん。」
「それでな、我らの像が立つことになった」
「どこに?」
「日本の
「……。」
「……。」
「いいの?」
「いいんじゃないか?」
「……。」
「ミカエル像が設置されるのは、弘法大師・空海が開いたお寺とされる
「うん」
「petit(プチ)そなた、向こうで暮らしてみないか?」
「僕?」
「そうだ。数百年もここで過ごして飽きたというのが口癖ではないか」
「そうだけど」
本体がチラチラとミカエル君を見る。
「もしも、もしもだがな〜。そなたが心弱くホームシックになったら、いつでも戻ってきて良いのだぞ〜」
「僕は心弱くなんてないし!」
ちびミカエル君がむっとして強がった。
「そうか、では像が設置されたら引っ越しだ。しばらくは戻れないだろうから、慣れ親しんだ場所で過ごしておくと良い」
――― ふふっ、楽しみだな。
モン・サン=ミッシェルには世界中から観光客がやってくる。いろんな人種、文化的背景をもった観光客をみてきて、いつか自分も外の世界をみてみたいと思っていたのだ。
思ってはいたが、絶対に実現しないと思っていた。それが現実になるのだ。
ちびミカエル君は楽しみで仕方なかった。
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