第103話【泥棒猫?】
「まぁ俺もずっとこのままでは駄目だと思ってな。まずは文化祭の実行委員になってみたんだ。」
とりあえず俺は今、自室でテレビを見ながらミキと電話中。
昨日も確かこのぐらいの時間にかかってきたよな。
「.........。」
あと冷静に考えればこれってやっぱり特殊だよな。幼馴染とはいえアイドルと連日電話。
まぁ向こうからかかってくるし、俺は悪くない。
「へぇー。まぁそれは良いことね。」
「うん。まぁこれからが大変だろうけどな........。」
「ケントなら大丈夫よ。頑張りなさい。」
「あぁ、ありがとう。ミキも頑張ってな。」
「うん。頑張るわ......ただちょっと聞きたいことがあるの。」
「聞きたいこと?」
何だろうか
「あの写真はなによ。ケント」
「あの写真?」
「そう!今日あんた同じクラスの山本サヤと一緒に写真撮ったでしょ!」
「あ、ああ。確かに撮ったな。何で知ってるんだ。」
って急になんでそんなに口調が荒く.......み、耳が。
「もう!あの娘がtwitterとかインスタにあげてたからよ!」
あぁ、そういうことか。
確かよくわからないけど実行委員の初日記念に撮ろうとか言われて一緒に撮ったんだっけ。
あんまりそういうのも得意ではないけれど、写真とかもリハビリ的な感じで慣れていかないと駄目なのかなと了承したんだ。
アレをSNSにあげたのか.......。
って、何でいちいち一般人のインスタとかを確認しているんだ。
全く接点ないだろ。ミキと山本.......。
「なによ!あんなに顔を近づけて二人でピースって!」
「いや、それも.....ちょっと変わらないといけないなと。」
でもそうか、アレをSNSに........。
ち、ちょっとそれはだいぶと恥ずかしい。恥ずかしすぎる。
載せられることを全く想定していなかった。あとでちょっと確認しよう。
「く.......って、も、もしかして実行委員ってあの娘と一緒に!?」
「あぁ、男子は俺で女子は彼女だけど。」
「な、な、あ、あの泥棒猫-------、く.....どこもかしこも泥棒猫!」
「ど、泥棒猫?」
「も、もしかしてあの娘と付き合い始めたとか言わないわよね。」
「な、何を急に。そ、そんわけないだろうが!」
ほ、本当にまたいきなり何だよ
前も違うって言っただろ。
「まぁそれならいいんだけど。あ、あたしが恋愛禁止なのに、ケントが恋愛なんて生意気は絶対に駄目なんだからね!絶対に!」
どういうことだよ。
でも、お、俺と山本が付き合う........
ミキが変なことを言うせいでまた色々と考えてしまう俺の脳。
それに、泥棒猫って.......今ミキは言ったよな。
その言葉って確かそういう時に使う言葉だよな........。
しかもさっきから何故か執拗に.......
「........。」
いや、でも彼女はスーパートップアイドル。
な、ない......よな。でも彼女も思い返せば
「ねぇ聞いてるのケント!ねぇ!」
駄目だ。最近の俺はやっぱりおかしい。
とりあえず、顔が........あつい。
「ケント!」
熱い........。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます