第12話 器

疲労すると 

わたしが纏っていた 全てが

剥がれ落ちる


世界から離れないために

必死に集めた色ガラスも

人として生きれるように

願いながら集めた感情も


全てが流れ出して

そこには空っぽな器だけ


幾つ年を重ねても

変わりえぬ わたしの

こころの 本質


疲労を癒すため 

わたしは暗闇に横たわる


空から 

優しい光を放つ星が

幾つも幾つも降ってきて


冷えたわたしの器を

あたためてくれる


わたしはその星々を抱き締めながら

瞼を閉じて 静かな眠りにつく


目覚めたとき 

また 世界を 

カラフルに感じれるようにと

祈りながら



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