無題のノート

なにものでもないなにものでもない透明になりたいと思っているときには

色づいているのか、透き通っているのか

それともどちらでもない半端なフィルム性になってその色づきに耐えられない気分なだけなのか


なにものかになりたいなにものかになりたいというその気持ちのキャンバスが

いつまでも真っ白なつもりだったら

いつのまにか色づきは取り返しのつかないところまで来ていたと、


なにものかになれる

なにいろかになれる

そんな幸せは過ぎたこととわかりつつも

色づいて鮮やかになることをおそれる、


それ

すなわち

何者かになれるあかしでも、ある。


その不安 その不安は

ときに痛みに直結するけど根本的には陶酔に似てます。

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