第6話

捨てられたというには語弊がある。

丁重に振ってくれた。

やさしい彼だ。


それはもうamazonの梱包のごとく。

ボンタンアメを包むオブラートのごとく。

徹底的に理詰めして逃げ道を殺してから追い詰めてくる上司のごとく。

時には真冬の陽だまりでお日様の光をたっぷり吸い込んだ羽毛ぶとんのように。


君は泣いていたね。

私も泣いていたね。


気づいたら

夏メニューをごり押しする店員に

2人して流されて

パッションフルーツ酎ハイ飲んでたね。


胸が大きいから、

脂肪がたくさんついてるから、

貧乳より胸が痛まないって思ってたけど…


泣く彼を励まして、

涙飲み込んで

バイバイして。


1人になった瞬間、缶チューハイ呑みこんで。

やっと胸がはち切れるくらい苦しくなって、声を出さずに泣いた。

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