第2話

けたたましく鳴るアラーム音で目を覚まし、くぅーっと伸びをした。半分も開いてない目に差し込むのは、カーテンのほんの少しの隙間から差し込む朝日。大きなあくびをして、リビングに向かった。食卓にはフレンチトーストが用意されていた。テレビを付けて、雨マークだらけの天気予報を見ながら食べた。ふとカレンダーを見ると、思った通りまだ5月のままだった。空になったお皿を持って席を立ち、片手でカレンダーをめくった。6月か。時の流れを噛み締めながらお皿を洗っていると、梅雨が始まるらしいと言う天気予報士の声が聞こえてきた。

身支度を整え外に出ると、今にも雨が降りそうな灰色の空だった。僕は黒い傘を持って、学校へ向かった。

今日A先生風邪引いて休みらしいから自習だってよ!と隣の席のK助が言った。そうなんだ、と言う僕は、心の底から喜んでいた。だって、物語のネタを考えられるから。ちょうど新しい物語を考えようと思っていたところだったから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る