第一話 これは異世界転生というやつですか?

ん、んぅ…

なんだ…?暖かい…あぁ俺は死んだんだった…

俺はゆっくりと瞼を開ける。

じゃあここはてんご…


「へ…?」


え、待って待って?ちょーっと現状が理解できないよ??!てかまずここどこ!?

目の前には座ったまま仮眠をとっている外国顔長髪イケメン、天井にはきらびやかに輝くシャンデリア、そして壁が見えなくなるくらいにぎっしりと並べられた本棚。

俺はこのイケメンの膝の上に乗っている状況になっている。えーっと、なんで?

…あ、この人まつ毛長いし肌真っ白で綺麗だなぁ…じゃなくてっ!

この人…誰だ?まさか天使?

とりあえず、この状況を打破せねば…。

成人男性がイケメンに膝枕されてるなんて一般的に見て冗談でも気持ちのいい絵面ではないことは確かだ。

あれ…膝枕?

俺の視界から考えるに膝枕されている、はずなのだが…明らかにおかしい…

この人大きい…んじゃなくて俺が小さい!!?

小さいってか幼い!!?

え?え?どういうことだ?

俺の体が…赤ちゃんになってるぞ?


「あれ…起きたのかい?」


俺が体をバタバタさせあたふたしていると俺を抱き抱えているイケメンが目を覚ました。

ど、どうしよう…俺どうしたらいいの!?いや、落ち着くんだ俺。一度整理しよう。

俺は死んだはずなのに、俺は赤ちゃんになってよくわかんない人に抱き抱えられて…ってわけわからんわーっ!


「雪夜…今日から私が君のお父さんですよ~」


お父さんと名乗った彼はにへ~っと顔を緩め、俺のほっぺをぷにぷにと触った。

うわ、この人やけに馴れ馴れしいなぁ。

雪夜?お父さん?

…まさか、これは転生というやつなのでは!

ラノベによくある前世の記憶を持ったまま転生して…的な!!

まてまて、この人今日からって言ったか…?


「雪夜、君の本当の両親のように私は君を捨てたりはしない」


俺、捨てられたのか。


「私は雪夜に辛い思いなんてさせない、だから安心して私を頼ってくれ」


そんなことを言う彼の表情は笑顔ではあったが、どこか困ったような、悲しそうな、そんな印象だった。

俺は初対面ではあったがなぜか彼を信頼出来るような気がしたんだ。


「あーとっ!」


だからかもしれない、俺は両手を彼の方に伸ばし、笑顔で「ありがとう」と言えたのは。


「え、ちょ、ま、それは反則」


手を伸ばしたのは気持ちをより伝えられるために伸ばしたものだったのだが…

彼は俺の手を握り、顔を真っ赤にしながら鼻血を垂らし始めた…

あ、前言撤回。やっぱりこの人信頼出来ないかも…

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