PURE & PURE

大門寺

第1話 偶然と運命と出逢い

皆さんに1つ質問します。"運命"の相手とは本当に存在するとおもいますか?もしも本当にその相手がいたとしたら幸せになれる。と私はおもいます。しかし、1つだけ言えることがあります。"運命"というのは、ちょっとだけいたずら好きです。

これは、そんな"運命"を信じ続けた1人の青年の物語だ。

2018年4月10日。俺は今、第一志望校念願である大学の前に立っている。今日から大学生なのだ。大学生活といえば何だ。俺は勉強よりも友達が作れるのか?というよりも恋がしたかったのだ!中学、高校と輝かしい青春話しができなかった俺は約6年間棒に振ったともいえてしまうことが恥ずかしかったのだ、、、、そう、、俺は産まれてから彼女ができたことがないんだ。周りを見てると彼女とイチャイチャしているのが人前ではどうかと思っていたがその反面羨ましかった。だが、この春は彼女をつくると決めていた。何故なら、、、。

2017年11月下旬。俺は高校三年生。大学受験が終わり、合格が発表されて間もない頃だった。ちょうど数学の授業をしている時に俺の右斜め後ろの席の田村に言われた一言から全ては始まった。

「合格おめでとう。あとね、うちと中学おんなじで仲良しで"りん"っていう子もお前と同じ大学入るらしいからよろしくね。」

俺は思わず

「あ、、おう。」

田村とはバイト先が一緒であるが突然の事だったのでそう返した。名前は覚えておこう。すると、また田村から

「ちなみにね、タクミと幼馴染みなんだよ。」

「まじか!」

タクミは、高校入学してからの友人だった為、仲は良かった。そして、授業が終わったタクミに聞いてみた。

「タクミー、、りんちゃんて子知ってるか。」

「知ってるも何も俺の幼馴染みだぜ。あいつんち電気屋してんだよ。」

「え?、、何で電気屋。」

「OK電工ってとこ」

「えー!それ俺の家で使ってる電気全部そこのなんだけど、、。」

ちなみに、自動車学校も同じだったとか。

これは、いい線いってんじゃないかと大学に入るまで友達からいろいろ情報を聞こうとおもったが、みんな、可愛い、胸でかい、とかそういうことしか言わない。それじゃああんな人数多い大学から探しようない。というわけで今に至る。

しかし、学科が同じであればワンチャンありあるぞこれはと考えた。俺の学科は美術科の版画コース。美術科の中でも日本画や洋画、工芸など様々なコースがある。一年目の美術科の最初の授業は美術科が全員集まって2つの項目に分かれてその項目1つのなかで4つのグループにわけて授業するというものだった。俺は彫塑という項目の2グループだった。もし、彼女が美術科で俺と同じ項目でグループでない限り出逢う可能性はほぼゼロに等しいと言えるだろう。願おう心の中で、、、、

そして、とうとう授業がはじまった。彼女はいるのだろうか授業が始まって3日、俺はバスにいるのか電車にいるのか探していた顔も知らないのに、、はたからみたらただの気持ち悪い人だと思うだろう。そんな中、授業3日目片付けていた時、事態は突然ときた。

すれ違いざまに知らない顔だが、ふと周波数が合ったかのようにその子と4秒くらい目があった。何だろうこの感じ、、、。

一瞬、あ、、この人、、、と、運命だと感じ取ってしまったのだ。俺はりんちゃんを探しているのにと彼女でもないくせにバカバカしいことを考えていた。その日彼女は探せなかったが、そのパッと見たあの子のほうが気になっていた自分がいた。もしかしたらあの子が、、、いやいや、そんな都合いい話があるか。次の日、出席確認があった。今までしていたのに気づかなかった。何もここで名前がかかるじゃないか。

「フカセくん。」

「はい。」

「りんさん」

「はい。」

え、、え?、、、え!今、確かに彼女の名前を言っていた。俺は咄嗟に眼を声のしたほうへ向けた、見たのはあのすれ違いざまに目が合ったあの子だった、、、。

ああ、何なんだろう、、、この、、交わることのなかったものが重なっていく感じは、、。その日から俺は彼女、、そう、

"りん"を見るたび心の心拍数がはやくなるんだ、、。

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