第12話 燃焼
往復を繰り返して、折り返して、息も絶え絶えに、肺と喉が喘ぐままに私は全力疾走した。かのメロスであっても、ここまでバイタリティー溢れる走行は出来まい。内々にそう思った。疲れはて、頭もぼっと、火をつけたろうそくのようにおぼろ気に、ろうが溶けてまた揺れる火の如くゆらゆら視界をさ迷って、あるべき焦点を探していた。
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