きっと
奇人説
「拓海君…だったよね?」
「…はい…何の用すか…」
「君には私と一緒に研究所に来て欲しいのだが「お断りします」
バタン
ドアを勢いよく閉める。
何ッッッ時だと思ってんだこのクソやろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!
夜中の2時だぞ!
せめてあと1時間寝させろよぉぉぉ!!!!
くたばれぇぇぇぇ!!!!!
ガチャリ
ドアが開く。
「拓海君、これは君にとっても大事な事だから」
「僕には睡眠の方が大事ですお引き取りください」
ドアを閉めようとすると靴を挟んで訪問者が続ける。
「分かった。睡眠をとっても構わないから出来るだけ早くしてくれないかな?今日のシフトは入らなくていいから」
「なんですと?」
もちろん僕は乗った。
僕は訪問してきた女の人と大型の護送車に揺られている。
この人今気がついたけど割と…デカい。
揺れててエロい。
「私はカコ、カコ博士よ。早速質問だけど、君にはまだ男性器が付いているの?」
「…ついてますけど…」
「身長体重に変化は無いみたいだけど、君は自分が の記憶があるのよね?」
「…フレンズ化はしてないですよ」
「君はまだ人間なのね…」
普通にセクハラ発言された上に人間である事にガッカリされたのだが。
「なんでサンドスターが接触したのにフレンズ化が起こらなかったのかしら?あの量や輝き、比率的にはかなり確率は高い…いや確実だったはずなのに」
「じゃあ僕戻りますね」
「ちょ、ちょ、まちなさい!何か特殊なものを身につけたりしてた?何でもいいから言って!」
「特別なものなんて一つも……あるな…」
赤い炎を纏った流星のように、森の上をフレンズがものすごい速さで移動している。
刹那、急降下すると地面に半径10メートルほどのクレーターができた。
「これがスザク。君の持っていた羽はこの子のもので間違いないのね?」
「はい」
カコ博士は顎を撫でながらぶつくさと何かを呟く。
「それは恐らく『特殊レディアント・オブジェクト』の一種ね」
「特殊レディー?何ですかそれ」
「はあ、特殊レディアント・オブジェクトよ。フレンズが強い輝きを込めた物体のこと」
「で、特殊レジデンス・プロジェクトって結局なんなんですか?簡単に教えてくださいよ」
「特殊レディアント・オブジェクト!何回も言わせないでちょうだい!…つまりね、フレンズたちが何か強い力、輝きを守りたいものとか、大切なアイテムに込めたものよ。例えば…絵本だったり…スパナみたいな工具とか、ボロボロの鈴とか、貴方の持ってるようなフレンズの体の一部とか。人間が特殊レディアント・オブジェクトそのものになることもあるのよ」
カコ博士はそこまで早口で言い切ると大きく息を吸って、また溜息を吐いた。
「おわかりかしら?」
「なんとなく…」
「で、その羽根は今あなたが胸ポケットに突っ込んでいるそれ?」
結局なんだかんだで持ってきたこの羽根。
「これも特殊レディース・オプションなんですか?」
「だから!…もういいわ、そうよ、その羽根も輝きを持っている特殊レディアント・オブジェクトよ。
あなたがサンドスターに当たってもフレンズにならなかった理由がそれかもしれないわ」
カコ博士が僕にずいと近づいてくる。
ちょっと近すぎません?って所で僕の胸ポケットから羽を抜き取る。
「この羽根が本当にスザクの物だとしたらあなたの体に直撃したサンドスターがこっちに吸収されたのかもしれないわね…炎の化身だけあってそのけものプラズムもかなりのモノね」
「…ラノベをよく読まれるんですね」
「ちっがーう!!真面目な話よ!」
と言われても完全なる厨二会話にしか聞こえなかったのだが。
「サンドスターはより強い輝きの下に還元されるの。だから、スザクのサンドスターと同化したって原理だと思われるわ…でもその羽根…私のスザクサンプルとは…」
ガチャリ
ドヤドヤと会話しながら白衣の研究者たちが入ってくる。
で、すげえ近くで僕に話しかけているカコ博士を見る。次に僕。
「…カコ博士…研究室でそんな事する趣味があったとは…」
「ち、違います!私は至って学術的興味の下…」
「オマエ…新人かぁ?」
「い、いや僕は研修生でして…」
「はぁ?テメぇカコさんと何してたんだよ…?」
やべぇぇぇぇぇぇぇぇタイミングがクソすぎる。
「あ、あのですね!この研修生は昨日サンドスターに接触したという報告が出ているのでフレンズにかかわる新しい知識や技術を…」
「だからと言って無断で研究室を開けてはいけません!ほら研修生!帰った帰った!」
「はい…かえりますけど…」
まぁ解放されたのでいいかと思っていたけどまだ朝の3時半でした。shit.
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