216_どうしようもない壁

ブランド品を纏った若者たち

年不相応に着飾ったご婦人たち

嫌でも聞こえる楽しそうな会話

ないもの全部が心に襲ってくる


取り出したご飯を無心で貪ると

マナー違反なんて事を言い出す

すみませんと謝る弱弱しい僕と

悦に浸る二つの談笑が加速する




最低賃金で働く僕らは

もう人生折り返し地点

軽蔑ばかり嘲笑ばかり


あんな彼らも人の心があるようで

苦しくも頑張る人が大好きらしい

人の心なんて見たことないくせに


なら僕も見えるように頑張らなきゃね

体だけが傷つくように

命だけは失わないように

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