第358話 上昇が気づかないほど緩やかだとは何か

上昇が気づかないほど緩やかだとは何か。まっすぐ歩いているつもりが、少しずつ浮かんでいて、はっきりと浮かんでいるのが分からないうちに歩くのを止めていること。


下降が気づかないほど緩やかだとは何か。まっすぐ歩いているつもりが、少しずつ浮かんでいたけれど、さらにまっすぐ歩いているつもりでいると、浮かんでいたことに気付かなかったのと同じく、着地した事にも気づかなかったということ。


まっすぐ歩いているつもりとは何か。本当はフラフラと左右に傾きながら歩きたいけれど、見た目が悪いので頑張ってまっすぐ歩いている状態。


本当はフラフラと左右に傾きながら歩きたいとは何か。疲れて歪んだ骨や筋肉は、曲線の軌跡を描くということ。


頑張ってまっすぐ歩いている状態とは何か。見えている風景を基準に、身体の傾きを修正し続けていること。


浮かんでいたことに気付かなかったとは何か。ときどき楽しい気分になったのはどうしてか、また楽しくなりたかったけれど理由が分からなかったということ。

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