第5話 全てのごめんねを許す必要はない。


以前、政治経済の特別授業で来てくれた弁護士の人に、興味本位で「裁判中に、弁護しようがないなこの人、と思ってしまうことは無いんですか?」とこっそり聞いたとき、

「ぶっちゃけ結構あります」と小声で返ってきた時の爽快感はなかなかのものであった。


煽り運転男とガラケー夫人が逮捕される足掻きコントを観ながら、ふと思い出した話である。


彼に出会うまで私は「弁護士」という生き物に対して何だか人間味が薄いという印象を持っていたのだが、やはり彼らも人間であった。(当たり前だ)



何でもかんでも許すことができるだなんて言う人がいたら、流石に嘘だと私は疑いたい。

「僕嘘ついたことないんだよネ」という発言にも劣らぬ嘘言だろう。



全てのごめんねが許せなくたっていい。


人間だもの。



ましてや「ごめんなさい」すら言えない人だなんて。

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