夏の終わりに海を見て


大切なものがあった気がするけれど

もう覚えていない

夏の日の思い出だとか

人並みに幾らかはあった筈なんだけれど

もう全て忘れてしまった

忘れてしまったということは

もう存在しないってことと同じなんじゃないかな?

軽い頭痛はずっと続いている

さっき久しぶりに海を見たよ

当たり前だけど海ってすごく大きいんだね

わたしたちって一つの星の上で生きているんだね

(それなのにどうしてこんなことをしているんだろう?)

狂っているっていうのは

その状態に気付いていないから狂っているって言うんだ

この街で生きる人達は狂っているよ

殺人をしてはいけない理由がわからなくなる

海を見て

そんなことを思うのは

わたしが異常だからなのか


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