深い霧
深い霧に包まれた
曖昧な湖畔で
わたしを呼ぶ声がした
何もかも白く濁り
自分の足下すら定かではない
わたしを呼ぶ声のするところまで
辿り着けるのかどうかわからない
だがその声は確かに
わたしにここに来てと訴えかけているのだ
他にやることも思い浮かばなかったから
わたしはきっとそこを目指すだろう
ずっと欲しかった命令を
わたしはようやく見い出したのだ
不鮮明さの中で
何もかも錯覚かもしれないという疑いを抱えながら
わたしは歩き続けた
指で数えても大切なものが足りない
けれどいつだって確かな感覚などこの世界で味わったことはなかったではないか
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