合格


誰もいない部屋で

男がぶつぶつと喋り続けていた

「正常だね」

きみはそう断定した

わたしもそれには同感だったから

引き続きそうしていてくれと男に頼むことにした

男はぶつぶつと

それが返事なのかどうかもわからない言葉を口にした

「完全に合格しているね」

きみは言った

わたしは頷いた

ところできみって一体、誰なんだい?

質問しても良いのかどうか迷っていた


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る