炎は消えてしまった

あの日、確かに燃えていた

わたしの炎は跡形も無く消え去ってしまった

それが信じられなかった

そんな瞬間が本当に訪れるとは思っていなかった

永遠だと信じていた

消え去ってしまえば

あの日、燃え盛っていたものがなんだったのか

はっきりとしたことは何も言えなくなってしまった

こんな結末が訪れるなんて

誰が想像しただろう

炎は消えてしまった

それでもまだわたしはここに生きている

何の価値も無いわたしが

空き缶のよう直立不動している

振り返ってみれば

何もかもが不確かな幻でしかなかったような気がしている

どうしてあのように激しく燃え盛ることが可能だったのか?

もはや説明することすら困難なわたしがいる


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