ちくわがあった
ちくわがあった
天ぷらに加工されたちくわだ
そういったものには正式名称が用意されていた
ちくわの天ぷら
なるほどな
「知恵がつくなあ〜」
おれは売店で声を出して感想を述べた
ちくわの天ぷら
それを眺めた
おれの名前は田中
つまり田中がちくわの天ぷらを眺めているということになる
それが真実だ
「田中が、またちくわを眺めていやがる………」
まるで自分は田中ではないよう客観的にそう呟いてみた
なかなか良かった
「天ぷらかあ〜」
それ以外の感想は無かった
ある方がどうかしている
心の容器の中には何も入ってはいなかった
時計の針は回る無意味に
気付けばおれはおじいちゃんになっていたのだ
孫が足に絡み付いた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます