読後感？ 知らんなそんなもの。アンボイナにでも食わせてしまえ

殺人者は異常者。人間として不良品

人間はえてして、

『殺人者は異常者。人間として不良品』

などと言ったりするようだが、はっきり言って根本的に認識が間違ってるぞ。

いや、人間として育てることに失敗した結果という意味では＜異常者＞だったり＜不良品＞だったりするのかもしれないが、生来の異常者とか不良品とかという意味だとすれば、明らかにおかしい。

でなきゃ、戦争に行った兵士が人間を殺したら、そいつらは全員、異常者ってことにならないか？　人間として不良品ということになるのか？

それ、これまでの戦争で戦って英霊として祭られてる祖霊を愚弄してないか？

『戦争なんだから仕方ないだろ！』

とか言うかもしれないが、いやいや、それこそ、

『理由さえあれば人間は人間を殺せる』

という話じゃないか。

＜戦争だから仕方ないっていう理由＞

でな。

その事実を棚に上げて『殺人者は異常者。人間として不良品』だなどと、どの口が言うのやら。

今の平和な日本であっても、結局、本質的に人間は人間を殺せるという事実は変わらん。

ましてや、＜自分に関わりのない赤の他人の命＞など、本気でどこまで大切に想えるんだ？　ん？　

そう考えれば、自分の家族を殺すよりも赤の他人を殺す方が確実にハードルは低くないか？

くくく。図星を指されて人間共が感情的になる姿が目に浮かぶわ。

まあそれはさて置いて話を戻すとだな。

となれば、殺人を犯させないようにするには、その＜理由＞を排除するのが最も手っ取り早くて確実な方法ではないのか？

＜人間を殺さずにいられない理由＞を山盛り抱えた奴を放っておいてそれで事件になったら、

『異常者のしたことだ！』

などと、自分らの怠慢を棚に上げてよく言えたものだな。

もっとも、自分とは関わりのない赤の他人の面倒をそこまで見なきゃならん理由がないというのもまあ事実だろう。

そうなると、殺人事件が起こったくらいでぎゃーぎゃー騒ぐなよ、人間共。って話だな。

私などの立場から見れば滑稽極まりないぞ。

あと、ぎゃーぎゃー騒いでくれることがむしろ喜びになるような奴もいるしな。さらには、自分の家族や周囲の人間が『殺人犯の身内』として世間から叩かれるのが嬉しいという奴もいる。

それを目的にやった奴の望みを叶えてやってどうするんだ？　それが何の＜社会的制裁＞になると言うんだ？　んん？

『自分は理不尽な殺人者に対してこんなに憤れる正義の人だ！』

っていうアピールでもしたいのか？　それで共感を集めるのが目的か？

くくくくく……

くぁはははっははっはははは…！

いやいや愉快愉快！　そんなことで自分を満たそうなどと、実にちっぽけよな！

『殺人犯の擁護をするのか！？』

だと？　笑わせるでないわ。私から見れば殺人犯もそれ以外も、プラナリアの顔の区別がつくかどうか？ぐらいの話でしかない。

もっとも、＜私の物＞にちょっかいを掛けるような奴は容赦せんがな。

私の名は、クォ＝ヨ＝ムィ。お前達人間共が＜神＞だの＜邪神＞だの呼ぶ存在だ。これから語ることは、不敬にもこの私の信徒に対して不埒を働こうとしたゴミムシの如き人間に下した＜神罰＞についての話だ。

ああ、先に断っておくが、＜すっきりとした読後感＞などという舐めたものは期待するなよ？　仮にも＜邪神＞と称されるモノが成した事だ。人間にとっては胸糞悪いだけの結末が待っていることだけは教えておいてやる。

もっとも、人間にも邪悪な奴はいるからな。そういう奴らにとっては物足りない可能性もあるだろうがな。

いずれにせよ、良い気分になれることはないであろうとだけは覚悟するのだな。

その覚悟があるのならば、読み進めればいい。

どんな気分になろうが私の知ったことではない。