第10話(痩せてもブスなパターン&初恋)

「カネウス国王陛下。差し出がましいですが、モーニング・ブルー・ドラゴン王国に国債を買わせれば、財政難も解決するのでは」

「そう簡単にはいかん。クーデターで取った政権、不確定要素が多すぎる。しかし、積極的な意見は見事なものだ、オウノ王子」

「失礼しました。ヨコヅーナ王国が国債を買えば良いのですね?」

「財政破綻したら被害を被るぞ」

「姉の結婚相手はカドバーン王国の王子です。私は義理の弟になります。曇りなき眼(まなこ)で見定めます。カミウス殿、シナウス殿、ホモウス殿の順で自己PRをお願いします」


カミウスは一歩前に出て、オウノ王子にPRをする。


「カドバーン王国第1王子で王位継承順位は1位。結婚するなら、お相手にはラグビーで紅白戦が出来るくらいの子供を作りたい」

「凄い性欲ですね」


オウノ王子は、このハゲ散らかったカミウスも減点にした。残るはシナウスだけ。


シナウスは一歩前に出る。


「カドバーン王国第2王子として政略結婚には反対しない。だが、お相手のお顔も見ずに決めれない。オウノ殿、ミタ王女の顔写真を見せてくれ」


ズキーン! オウノ王子、大ピンチ! ミタ王女は…………。


「お、お見せ致しましょう」


ここで断ったら逆に怪しまれる。オウノ王子はポーチから1枚の写真を取り出す。その手は震えている。


カドバーン王国の3王子は写真を見る。そこにはザ・デブスが写っていた。3王子は口を揃えて言う。


「「「なんだ、このひでえ不細工は」」」

「ビフォーアフターですよ。今、仰天チェンジの真っ最中」

「痩せてもブスだぞ、このパターン」


シナウスはキツイ一言を言った。


「これが姉です。確かに不細工です。しかし、妹は可愛いと思います」

「妹の写真も見せてくれ」

「は、はい」


オウノ王子はもう1枚の写真を取り出す。そこに写っている女性を見たシナウスは一目惚れをする。初めて物以外に恋をした。


「この小柄な方の名前は?」

「妹のアサノです。21歳になります」


カミウスも可愛いとは思ったが、身長差だ。ヤグられるかもしれない。ホモウスは女に興味なし。

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