私的神話

まだそう遠くない昔、私は生まれました。


同時に世界も姿を現し、私を包みます。

全ては私の目の届く所で起こり、

その灯火を絶っていきます。


手を伸ばせば、花。

耳を済ませば、鳥。

鼻をくすぐる、風。

心を透かすは、月。


何もかもが私の為に輪廻を歩んでいく、

素晴らしい世界。


私によって具現化し、私の愛で色付く世界。


「でも、今日でお別れ」


私は目を閉じました。

誰かの世界へ旅立つ為に。

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