第58話 子守歌をキミに
スズネは、無言のまま身体を寝具に沈めた。無遠慮に身体を投げ出したというのにも関わらず、寝具は綿のような柔らかさを以てスズネの全身を受け入れる。そのあまりの柔らかさに、スズネの口からは疲労を告げる溜め息が零れ落ちる。しかし、それは数秒もしない間に虚しく空気と混じって消えていくのだった。
ここは、ミカが手配した宿屋の一室である。一観光客――それも、今後の旅を見通してあまり贅沢ができない状況下の――が選ぶ宿と、この神都の頂点に君臨する神官が選ぶ宿が違うのは当然のことである。決して比べるものではないと理解はしているのだが、その宿屋は昨晩の宿屋を一瞬で忘れてしまう程に上質なものだった。
一度腰を掛ければ立ち上がることが難しくなるほどに柔らかい素材で構築された夢のような長椅子。一度寝転べば二度と起き上がることをしたくなくなるような、人を堕落させる鑑のような寝具。一点の曇りも存在しない鏡が部屋に一つ備えられ、床には柔らかい深紅の絨毯が敷かれている。恐ろしいほどに透明な硝子窓を覘きこめば、精霊達が祭りを堪能している姿を見ることができる。しかし、壁が分厚く、昨晩のように祭りの喧騒に睡眠を妨害されるといった心配はなさそうである。
それだけでも十二分に有り難いのに、この部屋にはまだ驚くべき設備が整っていた。なんと、一部屋に一つ、水浴び所が完備されているのである。好きな時間に水浴びをして体を清められる、というのは、戦闘後で血やら汗やらに塗れたスズネにとって非常に有り難いことだった。
「はあ……」
戦闘が終わった後から、最早何度目の溜め息に達するか分からない。スズネは寝具の上で体を丸めながら、静かに宿屋の白い天井を見上げた。
血を吸ってしまったスズネの洋服は、宿屋の従業員が丁寧に洗濯をしてくれるらしい。代わりに貸し出された純白のワンピースは、無料で貸し出される衣服とは思えぬほど上質な布で仕上げられていた。ふんだんにあしらわれた細やかなレースが非常に美しく、最早その服は芸術品と呼ぶのが相応しく思える。そんな贅沢な衣服を着て、何処も彼処も煌びやかに整えられた部屋を独り占めしている。
それがどれほど夢のような体験であるかは、記憶喪失のスズネにも簡単に予測がついた。従業員の恭しい態度も、眩いばかりに美しい部屋も、袖を通すことを躊躇ってしまうほどに魅力的な衣服も、こんな機会が無い限りは当分味わうことができないだろう。
けれども、今のスズネはそれを純粋に楽しめる精神状態ではなかった。
――ジンとの戦闘により重傷を負ったシンヤは、現在、医者に付き添われながら回復に専念している。
本来であれば患者と医者の一対一で治療が行われるはずだったのだが、涙を流すコハルがシンヤの元を離れたがらなかったこと、シンヤ自身がコハルの側にいることを望んだことにより、彼女の入室だけが特別に許可された。医者がいうには、空気中の神のマナが激増したため、通常よりも傷の治りが早くなるとのことらしいが――弱ったシンヤの姿を見てしまった以上、安心しきることは難しかった。
それに。
スズネの双眸は、己の手の平を無気力に見つめた。
返り血は綺麗さっぱり洗い流され、いつも通りの白い肌がスズネの視界に映り込む。けれども、ジンに突き立てた刃の感触は未だ生々しくそこに残っていた。
――今夜は眠れないかもしれない。極上の寝具に横たわっても尚、スズネの眠気は一向にやってこなかった。
既に夜が訪れて数時間が経過している。普段であればとっくに就寝しているはずの時間でも、スズネは何処か気持ちが落ち着かず、覚醒した意識を持て余していた。
純白のシーツにスズネの艶やかな黒髪が散らばる。普段のスズネであれば、借り物の衣服に皺が寄ることを懸念して無遠慮に寝具に横たわったりはしないのだが、それを気にする余裕もない。スズネは、無防備なほどに脱力して、両手を寝具の上に投げ出していた。
一体、どれ程そうしていただろう。
スズネがありもしない天井の染みを探してぼんやりと視線をただ寄せていると、突然、部屋の扉が軽く叩かれた。その音に気付いたスズネが、緩慢に体を起こす。
扉の向こう側で、部屋を訪れたその人は遠慮がちな声を投げかけてきた。
「スズネ、起きてる?」
「……ヨルくん?」
「うん。今平気?」
「い、いいですよ、大丈夫です」
寝具の柔らかな誘惑を押し退けて、スズネは慌しく部屋の扉まで駆け寄る。その足音ですら分厚い絨毯に吸収されるのだから、この宿屋は恐ろしい。
扉を開けると、そこには柔らかな笑みを浮かべたヨルが立っていた。こんばんは、と簡単な挨拶を口にする彼の顔にも、当然ながら疲弊の影が見え隠れしている。けれども、彼はそんなことを悟らせたくはないようで、いつも通りの穏やかな声で言葉を紡いだ。
「ああ、ここの服着たの? 似合ってるね、可愛い」
「かわっ……!?」
「ふふ、可愛いよ」
ヨルの口から自然に滑り落ちてきた褒め言葉を聞いて、スズネは自分の頬が妙に熱くなるのを感じた。もしかしたら赤くなっているかもしれない。慌てて顔を俯けたスズネは、いそいそと部屋の扉を大きく開いて、ヨルのことを招き入れる。
「……あ、ありがとう、ございます。どうぞ、ヨルくん。立ち話もなんですから」
「入っていいの? 寝るの邪魔してない?」
「寧ろ、眠れなくて困ってたので助かりました」
お話相手になってくれますか? と尋ねれば、ヨルは緩慢な動作で瞬きを繰り返した。それから、眉尻を下げて力の抜けた笑みを浮かべる。
「喜んで。それじゃあ、お言葉に甘えてお邪魔します」
「ふふ、お願いします」
そんなやりとりの末、ヨルは礼儀正しくスズネの部屋に入室する。先ほどまで一人で静まり返っていた部屋に誰かの気配があるだけで、部屋の印象は随分と変わった。
この部屋は、一人で使うにはあまりにも広いのである。
「それで、何かご用事ですか?」
「んッ」
「……ん?」
「……なんでもない。椅子借りるね」
スズネがそう問いかけながら寝具に腰を掛けると、ヨルが一瞬妙な顔をした。数拍の空白の後、ヨルは近くにあった一人掛けの椅子を引きずり、寝具の横に設置する。ぱちぱちと瞬いたスズネを見て、ヨルは一度咳払いをしてから、何もなかったと言いたげな声音で言葉を継いだ。
「いや、少し。大した用事ではなくて……キミが眠れてるか心配になってさ」
「私ですか?」
「うん。シンヤも大変だし、ミカさんに色々聞かされて混乱してるだろうし……あの商人のこともあるから」
大丈夫? と聞きたげな気遣いの視線を受けて、スズネは何処となくくすぐったい気持ちになる。自分も戦闘を熟して疲労しているだろうに、ヨルは何処までも優しい。その瞳の柔らかい色を見ていると、先ほどまで覚えていた迷子のような感覚は、春を迎えた雪のようにゆっくりと融けていった。
「――全く問題ありません、とは言いませんが、でも、大丈夫です。私は大事な人を守るために戦いました。私、後悔してませんから」
生々しい感触に苛まれていても、決して自分の行動に後悔ない。恐らくは、誰かを傷つける度にこんな気分になるのだろう。けれど、それが間違ったことだとは思わない。それでも尚、剣を手に取って振るうことを躊躇わない。それが戦う覚悟を決めるということだ。
スズネが柔らかい声で確かにそう宣言すれば、ヨルは安堵したように息を吐いた。肩から力を抜いたヨルが、椅子の背凭れに背を預ける。その寛いだ様子を見ていると、スズネまで脱力してしまいそうだ。
思わず軽く笑い声を零した後で、スズネはふと脳裏を過った疑問に表情を引き締めた。
「ヨルくん、私、まだ気になってることがあるんです」
「ん?」
「結局、ジンさんの目的が分からないまま。どうしてあの人は、私達の正体を知っても驚かなかった上に、私達を狙わなかったのでしょう」
スズネ達がジンと出会ったのは、未だ神都に到着する前の出来事である。さらに、彼は道中、四人全員を花のマナで眠らせている。その隙に四人を資源として利用する、或いは、その希少さを主張して売り捌く、といった行為にも出られたはずなのだ。悍ましい考えではあるが、精霊を攫うということはそういうことである。
――何故、彼はそうしなかったのか。わざわざ希少な湖と樹の精霊を見逃して、神都に潜り込むためだけに利用するというのは、不自然に思える。
「それに、どうして今更神の試練が私達に課されるのかも不思議で」
「つまり?」
「樹と湖の里が別離したのはもう百年も昔の話なんです。どうして百年前の話が掘り返されるのか不思議で。……ヨルくんとコハルちゃんが樹の里に戻らなかった時期も、丁度百年。二人が消えてしまわなかったのは、樹の大精霊にとって重要な補助役だったからだと思うんですけど」
誰も、その間の話を知らない。或いは、ミカは知っているのかもしれないが、敢えてそれを話さなかった。
リンは、その空白の百年のことを湖の里の仕業だと話していた。大精霊の手紙を託されたヨルとコハルがそのまま里に帰ってこなかったこと、二人が発見されたときに満身創痍且つ記憶喪失だったことがそういった判断を下された原因である。
――しかし、湖の大精霊は崩壊寸前なのだ。本当に湖の里がヨルとコハルを捕らえ、百年物長い月日をかけて痛めつけていたのだとしたら、謎が残ることになる。
どうして湖の里は二人を資源として大精霊に捧げてしまわなかったのか。二人は気の大精霊の補助を務める、重要な精霊だ。そのマナを利用すれば、湖の里はこの現状から抜け出すことができただろう。その方法を利用しようとしたのは、誰よりも樹の大精霊の復活を祈っていたリンなのだから、それは間違いないはずだ。
考えれば考えるほど、思考は沼にはまっていく。考えても決して答えが出ない問いを次々と投げかけるスズネを見て、ヨルは「そうだね」と目を伏せた後、静かに悪戯っぽく笑いかけた。
「確かに色々考えることが増えたし、神の試練とかいう胡散臭いのが出てきて大変なことばかりだけど……一つだけ明確にいいことがあるよ」
「何です?」
「僕達大精霊の補助は、人間と契約しないって分かった事。だから、僕達の大事な人は少なからず契約者ではないし――里のため、というよりも大精霊のために生涯を捧げるっていうなら、関われる存在はある程度絞られてくるんじゃないかな」
「……確かに、大精霊の補助と普通の精霊じゃ仕事の内容が違いそうですよね」
「うん。大精霊だって無遠慮に色んな人間と関わるわけじゃないだろうし、きっと僕達は大精霊の側から離れられない。多分その周辺って、大精霊に作られた精霊か、大精霊の契約者くらいしかいないでしょ。つまり」
「……私達が大事に想ってた『誰か』は、大精霊の契約者か精霊の可能性が高いんですね」
「その通り。例えば精霊だったとして、樹の里も湖の里もあんまり良い状況じゃないから、もしかしたら今は消滅してる可能性が高いけど……マツさんの話では、契約してた精霊が『大精霊にマナの余裕ができれば会えるかもしれない』って言い残して消えたんだ」
「ということは、私たちが神の試練を乗り越えれば、大精霊は救済されて、精霊達も元に戻ることができる」
「そうすれば、僕達は会いたい人とまた会える。……ね、いいことでしょ」
少しは元気出た? と和やかな声に問いかけられて、スズネは思わず首を縦に振った。先ほどまで脳内を占めていた複雑な思考は一瞬で消え去り、未来で浮彫になった希望がスズネの表情を明るくする。
名前も声も分からないが、ただ記憶の中のスズネは、確かにその人を愛おしいと思っていた。その感覚だけは今も確かで、その人物のことを思うと、僅かに胸のあたりが温かくなるのである。
この話は、ヨルにとってもこの上ない希望を含んでいるはずだ。だって彼も、その『誰か』に会いたくて仕方がないだろうから。
「よかったですね、ヨルく……」
スズネの言葉はそこで途切れた。一瞬、誰かに心臓を鷲掴みにされたかのような衝撃を覚え、スズネは肩を大きく跳ねさせた。
目の前で穏やかに笑うヨルが、不思議そうに小首を傾げる。
――その『誰か』が現れたら、もうヨルは、この笑みをスズネには向けないかもしれない。
彼は元々、自分の大切な人を探して草原を歩いていたのだ。スズネを誰かと勘違いしたからこそ、彼は自ら危険に飛び込んで盗賊からスズネを守ってくれたのだ。
ヨルは優しい。それからもスズネを様々な方面で守り、気遣ってくれるが、決して勘違いをしてはならない。
彼が守りたいのはスズネではない。彼はずっと、自分が愛している『誰か』を探しているのだ。
そう思うと、スズネの心臓は激しく嫌な音を立てる。何がそんなに嫌なのか、心臓が張り裂けそうな程痛い。
「……スズネ?」
「……いえ。その、ごめんなさい。やっぱり色々疲れてるみたいで、混乱してるみたいです」
「そう? そろそろ寝る?」
「そう、ですね。あんまり眠れる気はしませんが……」
ぎこちなく笑顔を浮かべたスズネを見て、ヨルは不思議そうに瞬きを繰り返した。青と緑が混じった優しい色の瞳が、静かにスズネを真っ直ぐに見据える。その瞳に見られていると、何だか胸が苦しくて仕方がない。
小さな深呼吸を繰り返して、ゆっくりと呼吸を整える。そんな様子を見守ったヨルは、数拍間を置いた後、小さな声で「ねえ」とスズネを呼び止めた。
「提案があるんだけど」
「提案?」
「本当に眠れそうにないなら、なんだけど」
「はい、なんです?」
「子守歌、歌ってあげようか」
「……子守歌」
予想外の単語が飛び出して来たことに、スズネは目を丸くした。ヨルは何処となく気まずそうな顔をしているが、決して顔を逸らすことはしない。
子守歌、というのは子供を寝かしつける際に歌われるものである。ゆっくりとした律動で紡がれる歌が眠気を誘うらしいのだが……。
「ヨルくんが、私にですか?」
「うん。……変?」
「い、いえ! 変ではないですけど!」
「嫌ならやめる」
「嫌でもないです! その、なんというか……すみません、気になります。お願いします」
「……寝たいからとかじゃなくて、気になるからお願いするの? 別にいいけど」
横になって、と促されるまま、スズネはシーツと布団の間に身体を挟み込んだ。
馬車で彼の肩を借りることはままあるが、それらは全て無意識下での行動である。意識してヨルの肩を借りたことなど一度もなく、意図して彼の前で眠ろうとするのは、聊か緊張感を伴う行為であった。
布団の中で丸まったスズネは、目元だけを布団から出してヨルの顔色を窺った。ヨルは気を遣って、部屋の行灯の灯を消してくれていた。
カーテンを閉め切ってしまえば、窓から差し込む光量はさして多くない。薄暗くなった部屋で視覚を奪われると、聴覚が余計に鋭くなった気がした。
やけにヨルの立てる息遣いや物音が鮮明に聞こえる。緊張感を胸に抱きながら、スズネは小さな声で「お願いします」と目を閉じる。
数拍の間、ヨルの声は穏やかな旋律を歌い上げた。知識通り、ゆっくりとした律動が、ヨルの落ち着いた温もりのある声で再現される。歌、というのは、平たく言えば普段の会話に律動と音程がついただけの存在である。
――にも関わらず、どうしてこんなに体から力が抜けるのだろう。
自分の手に感じていた生々しい感触も、シンヤとコハルへの心配も、脳内を占領する洪水のような思考も、謎の胸の痛みも。今は全てを置いていいから、と頭を撫でられている気分になる。
元々、スズネはヨルの声を聞いていると落ち着いた。それが、子守歌ともなればさらに聞き心地の良さを増す。
子守歌の知識はあった。けれど、想像以上に、子守歌を聞いていると眠くなる。
先ほどまでは皆無だった眠気が、あっという間にスズネの全身を包み込む。布団の中で力を抜いたスズネは、静かにヨルの子守歌に聞き入った。
ヨルの歌が、ふと止む。先ほどまで絶え間なく続いていた穏やかな歌が無くなると、部屋は途端に静寂に満ちた空間となった。しかし、それも今のスズネには気にならない。直ぐにでも夢の世界に沈んでいきそうな微睡みの中、スズネは、ヨルが椅子から立ち上がる気配を感じ取った。
聞きたいことがあった。スズネが半ば寝言のように「まって」と声を掛けると、律儀な彼は、例えそれが明らかに寝惚けている声でもその足の動きを止めてくれる。
「どうしたの?」
子守歌の続きのような、そのまま寝かしつけるような優しい声がスズネの鼓膜を撫でた。ああ、気を抜いたら本当に眠ってしまいそうだ。
「どうして、急に、子守歌を?」
「ああ……それ。昔、眠れない人に歌ってあげてたのを思い出して。その人、僕の歌を聞くとすぐ眠ってたから、もしかしたら効くかもしれないなと思って」
「……例の大事な人?」
「そうだよ」
眠気で、スズネの口から零れる言葉は不確かで朧げな雰囲気を纏っている。それでもしっかりと返答をするあたり、ヨルは本当に優しくて律儀だ。
微睡んでいても、スズネは自分の胸中で僅かに落胆が滲んでいることをしっかりと自覚した。先ほど納まった胸の痛みが、僅かに再発する。
それは、悲しみに良く似た感情だった。何がそんなに悲しいのか、スズネには分からない。
「……キミがすごく眠たそうだから、喋るんだけどさ」
スズネがそれ以上何も喋れないでいると、ヨルは遠慮がちな声でそんなことを呟いた。
最早瞼を開けることは不可能である。強い眠気に強襲されているスズネは、夢と現実の狭間で、ただ夢見心地にヨルの声を聞いていた。
「僕ね、僕の大事な人が、キミじゃないかって思うんだ」
「……わた、し……?」
「そう。……そうだったらいいなって、思ってるんだよ」
内緒だよ、と囁かれる。まるで何かを懺悔するような声だった。その内緒話をするとき、ヨルは普段よりも甘い、蕩けるような声音を出していた。その声が聞けることが、特別であるような感覚がする。
これは、彼が大事な人だけに向ける特別な声なのかもしれない。スズネは睡魔に呑まれる直前に、そう思った。――もし、彼の言葉が本当なら。その声を聞かせてくれる相手が自分なら。
それは、とても嬉しいことだ。
「……わたしも、そうだといいなと、おもいます」
自分が何を言ったかは覚えていない。スズネはその一言を部屋の闇に放り出して、静かに夢の世界へと意識を手放した。
意識が闇に沈んでいく感覚が、酷く心地よかったことだけを覚えている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます