私が王様たる所以(4月)

数分後―――

「お前、このゲーム詳しいのなー! なぁ、名前なんて言うんだ!?」

「私? 私は慶王けいおう 四季しき。あなたたちは?」

「俺、春樹はるき 健治けんじ! で、コイツは…」

「はいはい! 俺は井上いのうえ 満長みつなが! よろしゅう♪」


ひゅ~♪と口笛を吹く井上君。すると…

「よっす、ケイン、みっちゃん!」

ひょこっと二つ縛りの子が現れた。どうやらどこかに行っていたらしい。


「あ、えっとこいつは大野おおの 礼央れお! レオっちっていうんだぜ!」

「何女子に言ってるんだよ、ケイン~。あ、ごめん、俺ら邪魔だよな…」

申し訳なさそうに大野君が言う。 とっさに私は

「そんなことないよ! 今、春樹君と井上君と私で話していたところだもの!」

と、言った。すると、井上君が

「そうだよ~。しかも、この子ウェポン・オンラインやってるってよ! さらに、レアモンスター倒してるし~」

「本当か!?」

「今度トレードしてもらおうぜ! な、王様?」

「お、王様…?」

呼ばれたことのない名前に戸惑う。

「慶王だから、王様! テストにでるぞ~」

「でねーよ! ったくケインは…はははっ」

「あははっ」

男子一同が笑う中、私も思わず笑ってしまった。

「ふふ! …思ったんだけど、みんなあだ名?ついてるよね? それぞれなんていうの?」

「俺は健治でケイン!」

「満長でみっちゃん!」

「改めて、礼央でレオっちだ。よろしくな、王様。こんな三バカ銃士だけど…」

「みんな持ってるレア武器が違うから三バカ銃士なんだぜ! 俺はグングニル。槍のことだな」

ケインが言い終わるとみっちゃんが

「俺、レーヴァテイン! 剣だよ~」

と説明してくれ、レオっちも

「俺はロンギヌス。ケインとかぶってるけど、槍な」

と言ってくれた。最後にケインが

「王様は? 何の武器持ってるんだ?」

なんて聞くから答えてしまった。

「私は…エクスカリバー」


「「「エクスカリバー!?」」」


「え…? 私何かやばいこと言っちゃった?」

「おま…それ、最高レアリティだぞ? ★5,6個はついてるだろ!?」

「星…?」

「王様、星の意味、理解してない…?」

「いいぜ、今日からこのゲームの面白さ、教えてやるよ!」

この日から、私は三人にウェポン・オンラインの面白さ、楽しさをレクチャーしてもらった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る