柳ヶ瀬の女 4

柳ヶ瀬の商店街を歩いて行った。


両側には飲食店やスナックが並んでいた。


彼女や同じ職場の人と一緒に喫茶店に入った。


やがて犬山城の近くのホテルに着いた。


宴会は午後6時からだった。


宴会には各課から余興が予定されていた。


僕の課も一ヶ月前から、組合事務所の隣の会議室で、余興の練習をしていた。


ストーリーは簡単なもので、カップルが長良川の河原を散歩していると、二人組のチンピラが因縁をつけトラブルになる。


その時、正義の味方が現れ、そのチンピラをやっつけるというものだった。


最初、因縁をつけるチンピラの兄貴分を他の男性がやっていたが、迫力がなくどうにもピリッとしない。


「おい、どいて見ろ」


僕はそう言うと、自分がやって見せた。


僕にしても役者をするのは小学生以来だったが、拍手が起こった。


セリフも上手だったし、ドスも効いていた。


僕は自分の意外な一面を発見することとなった。

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