柳ヶ瀬の女 2

僕と彼女は同じバスだったが、席は出来るだけ離れて座った。


二人が恋愛関係にあるということを、出来るだけ秘密にしておきたかったのである。


彼女の席は真ん中より少し前だった。


僕はやや後ろに座った。


高速バスは出発した。


途中、何回かトイレ休憩を挟みながら、バスは順調に進んだ。


僕はバスの中で、少し気になっていたことがあった。


それは彼女のそばには同じ職場の男性が座っていたが、バスがカーブを曲がるたびに男性と彼女の体が触れることだった。


嫉妬というのだろうか。


彼女の体が他の異性に触れることが、我慢できなかったのだ。

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