第22話 優勝した!

22回目の更新。



2019年 8月22日 14時。

第101回目の全国高校野球選手権大会決勝戦が始まりました。


大阪府代表、履正社高校。

石川県代表、星稜高校。


履正社高校は、夏の甲子園初の決勝進出。

星稜高校は、夏の甲子園24年振りの決勝進出。

そして、両校とも、勝てば初優勝。



いや~、これかなりエモすぎへん???

両校とも勝てば初優勝!ってだけでもアレなのに、初の決勝進出対24年振りの決勝進出とか!


ドラマが過ぎる・・・なんやこれ最高かよ・・・。



試合の展開は、先手を取ったのは星稜高校。

2回裏、先頭打者のヒットで出塁すると、きっちりと送りバント。

その後、ライトに2塁打を打って先制点。

ヒットを打ち、ランナーを送り、そのランナーを帰す。

強いチームの戦い方で、流石強豪校と思わせる点の取り方。



と思ったのも束の間、今度は履正社が見せつけます。

点を取られた直後の3回表、1アウトから二者連続の四球でランナー1、2塁。

迎えるは履正社高校4番、井上広大。

その初球。

見逃せばボールかもしれないアウトコース高め、変化球スライダーにバット一閃。

そのままセンター方向に伸びた打球は、スリーランホームラン!

流石主砲、4番の一振りで、3対1と逆転します。



その後は、履正社、星稜、共に、ヒットは打たれるものの、粘りの投球で相手を抑えて行きます。



再び試合を動かしたのは、またもや石川星稜。

先頭打者が四球を選んで出塁すると、盗塁を企画してこれが成功。

次の打者は惜しくも三振しましたが、1アウトランナー2塁の状況を作ると、3人目の打者がセンターへタイムリーツーベースで1点。


なおも2塁にランナーを置き、4人目の打者は三振で2アウト。

5人目の打者は四球を選び、2アウト1、2塁で6人目の打者へ。


外の球1球を見送って1ストライク。

その後の2球はボールゾーン、これには手を出さず、冷静に見送って2ボール。

2ボール1ストライクとなって4球目。

真ん中付近に入ってきたストレートを打ち返して、ライトへのタイムリーヒット。

3対3の同点に追いつきます。



熱い展開になってきた決勝戦、全力を尽くして繰り広げられる戦いに、こちらも夢中です。



同点になって盛り上がってきた展開で、さらに熱い展開に持って行ったのは、今度は履正社高校。


同点に追いつかれた直後の8回表。

先頭打者がツーベースヒットで2塁に出ると、次の打者はすかさず送りバント。

1アウト3塁と言う絶好のチャンスを作り上げます。



個人的には、ここのバントが凄く大きかったな、と思います。

バントと言うのは、得点を得られるチャンスを大きくするための物です。

なので、成功させる事が前提の作戦になります。


上で、2回に得点した星稜の様子を書いてあるように、ランナーを得点圏の2塁、もしくは3塁に送り、次の打者はヒットを打って、ランナーを帰して得点する。


これが出来るか出来ないかで、得点力が大きく違ってきます。

当然、相手はこれを阻止しようとします。


しかも、試合の終盤ですから、もしバント失敗となれば、相手は勢いづいて、逆転される可能性もある状況。


厳しいプレッシャーのある状況で、しっかりと送りバントを決められた。

これがいかに大きかったか。

それが、直後に証明されます。



3人目の打者、状況は1アウト3塁。

1球目、アウトコース低目の変化球はボールとなって1ボール。

続く2球目の投球、アウトコースにストレート。

これを捉えて、センターへのタイムリーヒットで4対3と勝ち越し。


勝ち越して1アウト1塁。

続く打者もバントを成功させ、2アウト2塁に。

そして、ダメ押しとなるタイムリーヒットで5対3。



この2点を取った、履正社の得点の取り方に、執念を見ましたね。


同点に追いつかれた後、次の1点を取るかどうかが、試合の行方を大きく左右する。

その1点を、リスクを負いながらも、しっかりと確実に取る。

強い点の取り方でしたね。



勝ち越された星稜も、最後の力を振り絞って8回、そして9回の攻撃へ。

9回裏、逆転のチャンスがある星稜の攻撃は、先頭打者が出塁して、ノーアウト1塁。

次の打者はレフトフライになって、1アウト1塁。


まだチャンスのある星稜打線、次の打者がヒットを打って、1アウト1、2塁。


長打が出れば同点、ホームランならサヨナラのチャンス。



1球目2球目アウトコースのボールゾーンを見送って、2ボールと打者有利のカウント。

3球目、今度はアウトコースのストライクゾーン、変化球を見逃して1ストライク。

4球目、今度は一転、インコース低目に落ちるフォークに、空振りで2ストライク。


2ボール2ストライクで、今度は投手有利な状況。

打者は、三振したくないので、ボールゾーンに見えても振りに行かざるを得ない。

投手は、次の投球がボールになっても、まだ3ボールなので余裕あり。


緊迫した状況で投じられた5球目。

ストライクゾーン、インコース低目のストレート。

これをファールで粘って、カウントは変わらず2ボール2ストライク。


続く6球目、ストレートに見える投球は、インコースに食い込むカットボール。

これを打って、打球は内野に。


抜ければチャンス拡大、逆転へと繋がる打球の行方は―――


























履正社二塁手のグラブの中へ。


そのまま二塁へ投げ、遊撃手が二塁上で封殺、2アウト。

遊撃手は一塁に転送、バッターランナーも一塁でアウト。

併殺打、ダブルプレーで3アウト、ゲームセット。


この瞬間、第101回全国高校野球選手権大会が終わりました。



最終回の攻防は、本当に素晴らしい戦いでした。


そして、大阪府代表、履正社高校初の全国優勝は、そのまま令和初の夏の甲子園大会優勝となりました。


数多くの学校が、甲子園大会に出場する事を目指して戦ってきた、長く熱い夏の甲子園大会。


最後まで痺れる、白熱した試合を繰り広げた全学校、全選手に、改めてお疲れ様でした、と労いの気持ちで一杯です。


そして、最後まで勝ち抜いた履正社高校に、おめでとうと言いたいですね。



第101回全国高校野球選手権大会が終了し、これからすぐに秋の大会に向けて、全国の学校が、また動き出します。

3年生は引退し、2年生1年生中心の新しいチームになり、良くも悪くも生まれ変わる。


また、来年の夏が楽しみです。


そして、改めて、履正社高校、夏の甲子園大会優勝おめでとう。

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