岡山の少女

岡山の少女 1

少女の名前は小山朝子。

僕が彼女に会ったのは、陸上自衛隊を満期除隊して、故郷の岡山へ帰り、警備会社に就職した時だった。

彼女は百貨店のガードウーマンとして働いていた。

はじめ彼女の存在は、他の多くの女性達と同じく、特に意識するというほどではなかったが、ある日突然、僕の心の中に、どうしようもないほど大きな力を持って、恋の火を燃え上がらせた。