第82話 ふりかけ?

 県を跨いでの移動解除…解除前から無視しているのが底辺ホテルの利用客である。

 底辺ホテルでは、客の熱すら測らない、ALL OKである。

 設備も壊れまくっている。

 銀の湯は換気扇が壊れてこの時期、サウナである。

 底辺を相手にしているから、安くする、サービスの質は落ちる、だから貧乏人しか来ない…これを悪循環というのである。

 底辺に堕ちると抜け出せない理論の証明を肌で感じる今日この頃である。


 客室清掃…家族連れ…この時点で嫌なのだ。

 いわゆるバカ家族『馬鹿族』というヤツだ。

 とにかく部屋が汚い、ホテルや旅館で食事を持ち込む奴の神経が解らん。


「ん? ふりかけ?」

 棚に黒や緑のツブツブがワサッと、ぶちまけられている。

 よくあることだ、掃除機で吸えばいいのだ。

「ん? 苦臭い…?」

 よく見ると…虫である。

 羽虫の死骸が部屋中に…

「キモッ…そして臭い…」


 窓にも…虫がブツブツと張り付いている。

 ブワッと鳥肌がたつ。

 冷蔵庫の中まで入り込んでいる。


「なんだこの部屋…」

 掃除は通常の3倍の時間が掛りました。


 きっと一晩中、窓を開けっぱなしにしていたのだろう…

『馬鹿族』は気にならないのだろうか?

 このホテルの利用客は、こういうレベルが多いのだ。

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