第15話 底辺の行動

「バイト…あるんだ」

 正直、ホテルが客をキャンセルすると思っていた。

「休んでください」という連絡が入ると思っていたが、そんなことはなく、とりあえず普通に清掃はあったのだ。

 というか…この状況で県外から、わざわざ泊まりに来る客が13組…それも家族で?

「キチ〇イだ…」

 泊める方も、来る方も…頭、おかしい。


 海岸沿いにあるホテル、波は防波堤を超えて道路に海水をぶちまけている。

 エレベーターは強風で動かない。

 換気扇から風が吹き込み、ホコリを撒き散らしている。


 このホテルの従業員ってバカばっかなのだろうか?

 それ以前にキャンセル料取られるのが嫌で、やってくる13組の家族…バカだ。

 あすの昼に台風の中、追い出されるんだよ…。


 こんな日に来ても、どこにも行けないんだよ…それどころか、階段で11階まで上がるんだよ…車で?電車で? 何しに来るの?

 他人様の迷惑になる可能性を考えているの?

 事故起こしたらどうするの?

 お前等家族が死ぬのは勝手だけど、それの処理に行く人がいるんだよ。

 緊急車両の邪魔になるんだよ。

 電車…止まるんだよ…どうやって帰るの?


 ホテル側も、停電になったらどうするの?

 明日、台風の最中に客を追い出すの?


 目先の数万円で、どれだけの危険を孕んでいるのか…よく考えた方がいい。

 もちろん、お前等の危険じゃないよ、お前等は、死んでもしょうがない。

 それの後始末をする警察、消防の人の迷惑を考えろ。

 非難せざる得ない人達の邪魔にだけはならないようにしてほしい。


 それ以前に驚くのは、デリヘルは営業しているのだ。

 そして利用する客がいるのだ。


『彼女』さんも出勤するようだが…踊る阿呆と見る阿呆なんだろう…バカは死ななきゃ治らん。

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